95%が敵
NO.013
95%が敵だった
「中学時代、クラスの95%は敵でした」そう彼は最初の面談で話していました。いじめから不登校になった彼は、中学2年の時にやってきたのです。「僕は高校にはいかないつもり。親の年金で食っていけるし、親が死んだら生活保護。恵まれた日本では、なんとか暮らしていける」そんな話もしていました。
同じことの繰り返し
最初からとてもよくしゃべる生徒でした。頭がいいんでしょう、次から次へと持論を展開します。でも彼がとる行動は、いつもワンパターン。新しい行動へ踏み込む勇気がどうもなさそうでした。そしてそれができないために、いつも理論武装している感じがありました。
高校受験を断念、学びの森へ残る
高校受験は結局辞めることになりました。高校という新しい環境への怖れが、まだまだ大きすぎたんでしょう。あと3年彼は学びの森で過ごすことになりました。私たちの中では、彼をこだわりからいかに解放できるかが大きな焦点となりました。そして彼は一つ一つ殻を脱ぐように、自身を解放していったのです。
経済学との出会い
大学では経済を専攻しました。こだわりさえ、彼が自分でコントロールできるようになると、どんどん伸びていけるようになりました。先日も学びの森のゼミで、新自由主義経済の課題についての講義をおこなってくれました。