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日誌

身体、はじまる。

どうも、学びの森のキノシタです。

今日は個人的に待望の講座がスタートしました。

 

<教養講座(身体)>です!

昨年の春にアーティストの柳 雄斗さんをお招きして始まったこの講座、それが今年もできるとは!!感無量!!!

※昨年度の様子はコチラ↓

『身体を動かしてみる』

『初めての動き方』

『物語る』

『魔法の杖を探す旅』

『身をゆだねる』

『経験を積み重ねて』

 

今年はどんなことしましょうか?と柳さんと相談していたのですが、そもそも柳さんとはじめましての生徒がたくさんいることを忘れておりました…。

そこで、もう<運動>の時間から参加してもらうことに。

 

いつもの鬼ごっことは一味違う、特殊鬼ごっこをしながら、はじめましての壁をぶち破ろうという魂胆。

やっぱり一緒に遊ぶのが一番良いですね。楽しいし。

 

というわけで、特殊鬼ごっこの準備「5m走」スタート。

 

 

「よーい、どん!…って言ったら走るんやで」

というお決まりのフェイントを交えながら、みんなウォーミングアップ完了。

 

本題はここからです。

「俺足遅いからかけっこ嫌いやってんなー。だから今度は一番遅くゴールした人が勝ちにしよう!」と柳さん。

 

生徒は何それ?と言った表情でしたが、もう勘付かれた方もおられるかもしれませんね…。

そう、スローモーションの練習です!

 

 

みんな速くは走れるけど、遅く走ったことはないみたい。

ホンマにそんなんで普段走ってるん?という動きになったり、スローモーションとはいえない速さで動いちゃったりしていました。

 

特殊鬼ごっことは、このスローモーションの動きを取り入れた鬼ごっこのこと。

柳さんがパチンと指を鳴らすと、時の流れがゆっくりになるという前提を共有しなければいけません。

 

楽しい要素が加わるかも!みたいな直感なのでしょうか?

驚くことに、みんなスッとその前提を共有していました。

 

いつもの鬼ごっこと違って、思い切り走り回る感じにはならなかったのですが、タッチするギリギリのところでスローモーションに切り替わること、その状態での攻防をどうつくりだすかの面白さは体験していたように思います。

 

続いては、ゾンビ鬼ごっこ。

しかもフィールドがさっきよりめちゃくちゃ小さくなりました。

 

柳ゾンビがゆっくりと動き出し、襲い掛かってきます。

ぎゃーぎゃー言いながら逃げる我々。

 

 

生徒のひとりが捕まると、その子もゾンビになってしまいます。

ゾンビのなり方にも人それぞれ個性があって面白いですね。うさぎ跳びゾンビや、しゃがんだまま向かってくる変なゾンビがたくさん生まれました。

 

休憩中も柳ワールド全開。

生徒を使って彫刻をつくりはじめました。

 

 

楽しいことって、伝染するんですね。

すぐに生徒同士で彫刻をつくりあったり、柳さんで彫刻をつくったりしていました。

 

 

 

もう<運動>の時間から講座始まってるやないか!

と思いつつ遠目でその様子を見ていると、いつもの公園にいるはずなのになんだか違う空間にいるような感じがしてきました。

 

いつもと同じように遊んでいるけど、何かちょっぴり不思議さが混ざっている。

これはこれでもう一つの作品みたいな感じなのかもしれません。

 

さて、教室に戻り、ここでいよいよ柳さんの自己紹介。

教室の真ん中を開けて、地べたに座りながら/寝ながら話を聞きました。

 

 

小学生のときは、周りから3テンポくらい遅れて行動するような子だった柳さん。

図工の時間に自分がつくったものが周りからいいね!と言われることの喜びを感じ、表現する面白さに気づいたと言います。

 

中学生になると、学校という枠組みやそこでの生活になんだかモヤモヤし始めたそう。

そのモヤモヤはやがて「なんでこんなことせなあかんねん!」という怒りの感情へと変化しました。

 

そういった感情から、美術が専門の高校へ進学。その後も色々な表現方法と出会います。

決定的だったのが大学時代。「演劇/ダンス」という表現方法や、その道をゆくアーティストとの出会いが、柳さんの生き方を決めました。

 

ダンスって身体が美しい人しかできないものじゃない。

誰がどんな風に踊ってもいい。

 

ことばにならない自分の感情を、身体をつかって表現する。

そういう場をみんなでつくるって面白い。

 

そういった想いで、これまでアーティストとして色々なプロジェクトに関わり、表現し続けてきたんだそうです。

また、そうやって表現し続けてきた中での出会いによって、「今ここ」学びの森にいるんだとも言っておられました。

 

柳さんのストーリー、みんな真剣に聞いていました。

そこから何を感じたのか、また聞いてみたいですね。

 

さて、次は実際に身体を動かしてみよう!というわけで、ちょっとしたワークショップをおこないました。

まずはみんなで床に寝転がってリラックス。身体の感覚をいったんリセットして、自分だけに集中します。

 

 

そこからは「歩く」。ただし、ぶつからないように。

人間の身体ってすごくて、どれだけ密集していても、歩くスピードを変えても、「ぶつからない」に集中していればぶつからないんですね。

 

 

途中でスローモーションになったり、自分の身体が氷でできていてそれが溶けていったり、というエッセンスが付け加えられました。

<運動>の時間のところでも書きましたが、”そういう「前提」を共有する” というのが演劇なのかもしれません。

 

 

スローモーションという「前提」をみんなで共有するから、その世界が立ち現れる。

誰かひとりでも共有できなければ、その世界にほころびが出てくる。

 

身体を通して、その感覚を経験する機会になりました。

頭で理解しようとしていない分、よりダイレクトな経験だったような気がします。

 

最後はみんなでスローモーション鬼ごっこをしたり、柳さんが作った歌を歌ったり、みんなからフレーズをもらい即興で歌を歌ったり…。

バスの時間ギリギリまで、柳さんワールド全開の初回となりました。

 

 

みんなそれぞれにストーリーがある。

それはどんなカタチであれ「今ここ」につながっている。

 

柳さんが言っていたように、今後の<教養講座(身体)>が、生徒たちのストーリーの一部として紡がれたらいいのになと思います。

次回は9/29!コミュニティセンターの予約取らないと!!

 

では、また~