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日誌

即興性

どうも、学びの森のキノシタです。

最近保護者面談などでバタバタしており、ブログを書けておりませんでした。

今回は小学生を対象にした<教養講座(身体)>の報告をしようと思います。

 

講師の柳さんが手掛けるアートプロジェクト「ある街 chapter Yagi」に、学びの森の講座という枠組みで参加したこの企画。

3日間にわたり、「すごすこと」・「つくること」・「たねをもつこと」というテーマに取り組みました。

 

学びの森とは違う空間で、学びの森では流れていない時間を、身体全体で感じて表現する。

ここで言う「表現」とは、ある街そのものや、ある街での営みをつくることです。

具体的な仕事としてはこんな感じ↓

 

火を起こして野焼きをする

 

廃材の釘を抜く

 

ペンキで外壁を塗る

 

昼ご飯をつくる

 

洗い物をする

 

風車を600個つくる

 

物置を破壊する

 

部屋の壁を破壊する

 

破壊した後片付けをする

 

自転車で街の外を探検する

 

キックボードでレースをする

 

棚をオイルで磨く

 

自分の剣・槍をつくる

 

川にかかった橋を渡る

 

ふすまに絵を描く

 

外灯になる棒を磨く

 

じゃがいもの種芋を植える

 

などなど。

実に多様な仕事に取り組んでいました。

 

生徒たちがしていた仕事って、細かなことも含めるとここには全然書ききれないなぁと思います。

「灯油が切れてるから入れに行く」とか「牛の匂いが漂ってきたら知らせる」とか「ちょっとそれ取って!に応える」とか「良い雰囲気を醸し出す」とか。

 

そう考えると、めちゃくちゃ具体的なレベルから、めちゃくちゃ抽象的なレベルまで、幅のある仕事をこなしていたような気がします。

しかも真剣に。楽しそうに。自分から。

 

これって何なんやろう?

なんでこんなことが起こるんやろう?

と色々考えていたのですが、僕はやっぱり「即興性」が重要だったのかなと思いました。

 

ここで起きたことは、全部が全部用意されてない、というか用意できないんですよね。

だって営みだから。

 

寒かったら暖を取る。

お腹が空いたらご飯をつくる。

一生懸命はたらく。

疲れたら休憩する。

 

それぞれ細胞から出される信号に即興で応えることが求められると思うんです。

しかもみんなにとって良い営みをみんなでつくるわけなので、最初から用意されているはずがない。

 

だから失敗したりすれ違うことは当たり前。

寒い!⇔暑い!

これがしたい!⇔これはいや!

みたいな違いを、即興で受け入れたりぶつかったりしながら、少しずつつくるしかない。

 

こういう即興性が高い空間・時間だから、みんな真剣に、楽しそうに、自分から動き出していたのかもしれません。

生徒が帰り道に「今日もよく仕事したわ!」と言って笑っていたのがすごく印象的でした。

きっとその日の営みを即興でつくった達成感・満足感を感じていたんだと思います。

 

そう考えると、学びの森の日常って意外に用意されすぎている気もするなぁと。

今日一日をどんな風に過ごすか、その時のこころと身体に問うてみて、即興でデザインしてみるような日もあって良いんじゃないか。

来年度の活動は、もっと即興性の高いこともしてみようかなぁ。

 

そしたらみんなもっと考えるかなぁ。

とりあえず実験あるのみですね。

 

さて、そんなこんなで小学生版<教養講座(身体)>はこれにて終了。

な の で す が !今同時並行で面白いことも起こっておりまして…。

 

それは土日に「ある街」が開放されているんです!!

生徒の中には、誘い合って土曜日に行ったり、保護者の方と一緒に行ったりして、講座と同じく即興でその日の営みがつくり続けられています。

そういう流れができてきたことも、今回の企画に大きな影響を与えていると思います。

 

ある街の風景に学びの森の生徒がスーッと溶け込んでいることは、同時に生徒たちの中にある街での営みがスーッと溶け込んでいるということだと思います。

そこで体験したことは、いったい自分たちにとってどんな意味を持つのか?

僕自身も含め、ことばにしていきたいですね。

 

では、また~