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日誌

学校みたいな勉強はしたくない

─学校みたいに覚えるだけみたいな勉強の仕方って意味ないと思うんで、そういうのはしたくないです。
社会科の学習をするにあたって、開口一番こう言ってきた生徒がいました。


なん…だと…?!
その言葉を聞いたときに、私は焦ったのと同時に、面白そうな子だなぁと思いました。
私は今までずっと学校に通い続けてきたので、社会科といえば「暗記」という二文字が脳にしみこんでいます。
私は社会科が好きなこともあり、教科書の内容を覚えることになんの抵抗もありませんでしたが、それが苦手だという友達や、そんなことをして何になるんだという友達の意見ももっともだと思います。
でも、私の場合は社会科についてはどれだけ好きでも、学び方としては「暗記」の範疇を越えなかったように思います。
そんな私に生徒が突き付けてきた課題…
それが 「学校とは違う社会科の学び方をさせてくれ」 でした。
初めはどんな学び方がしたいのか、2人で話し合いました。
その子の主張は一貫して、「自分が気になったキーワードについて自分で調べるようなやり方がいい」でした。
そこで、まずは何がキーワードになるのか、色んな教材や本を読んでもらいました。
でも感想は、「面白くないです…」と一言。
むむむ…どうすれば…
どんな教材ならいいのか?どんなことに興味があるのか?
そんなことを2人で話していると、こんな言葉が出てきました。
─キーワードを考えるために、ある程度授業みたいなんをしてほしい。
なるほど!そういうことやったんか!
なんでもかんでも自分でやりたいわけじゃないのか!
勘違いしてました!ごめんな!
そんな感じで、今は私が気になったことをひとつテーマに持ってきて
それを一緒に考えながら2人で疑問を出し合い、それをまた2人で調べる
という二人三脚で社会科を学んでいます。
実はこれは、私にとっても新しい学び方です。
だから、まだまだ2人とも、自分に引きつけていろんな問題を考える力は弱いかもしれません。
でも、この1年を通して、一緒に考える力を身につけたいなと思います。
このストーリーを振り返って書いていると、次のような考えが新たに生まれました。
それは、
・この子はなんで「学校とは違うやり方がいい」のか?その方法がなんで「調べる」なのか?
「調べる」ということは、「情報を手に入れる」ということだと思います。
そう考えると、「調べる」という手段がその子にとって、どんなメリットのあるものなのかが見えてくるように思うんです。
そして、なぜ「調べる」という手段を選んだ背景には何があるのかを見ることもできるように思うんです。
そんなあれこれを考えながら、その子の「この世界の見え方」がわかればいいかなぁと思いました。
生徒から突き付けられる課題は、いつも自分の持つ課題だな、とつくづく思います。
こういう機会を与えてくれる生徒に感謝せねば!
明日もがんばろーっと♪