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日誌

バスの中の会話

今日は面白いエピソードが展開したので、それを紹介させていただきたいと思います。


いつものように私が知誠館に向かうバスを待っていると
一人の生徒が「お(はようご)ざいまーす」と声をかけてきました。
その生徒とはよくバスで一緒になるのですが、なんだか様子がいつもと違います。
バスの中で、手で目や耳を覆うようにして、うつむいているんです。
さっきまでしゃべってたのに…と思いましたが
車内を見渡すと、なるほどその理由がわかりました。
今日はたまたま女子高生が多く乗り合わせていたのです。
そして、その生徒は女子高生が大の苦手!!
「ひそひそと話しているのを見ると、自分の悪口を言われている気がして怖い。目を合わせることもできない。」
というのが生徒の主張でした。
生徒の姿を見ていると、こっちまで緊張や焦りや不安が伝わってきました。
幸い、私のところには女子高生はいなかったので
「こっち向いてても大丈夫やで。それよりさっきの話の続き教えてや。」
と言うと、顔をあげて話をしてくれました。
あんな、集団的自衛権っていうのはもともと国連憲章っていうのが・・・。
それで砂川判決っていうのがあって・・・。
だから結局「自衛権」っていうのがそもそも・・・。
そうなんです。
話というのも実は、私が生徒に「集団的自衛権の起源」についてのレクチャーを受けていたんです。
私が浅学すぎるのもあるんですが、とにかく知識がすごい。
さっきまであんなにおびえてたのに、一度喋り出すと止まらない。
「こういう社会の問題に対して、ちゃんと歴史とか知った上で、自分の意見を持つべきやと思うねんな」
そう話す生徒の目は真剣で、かつ生き生きしていました。
正直私は、自分が同じ年の頃にそんな考え方はできていませんでした。
だから純粋に、その生徒のことがかっこいいなと思いました。
女子高生は死ぬほど怖いけど、集団的自衛権や社会について真剣に考えている不登校生徒。
このアンバランスでユニークな感じが、とても面白いなーと思ったエピソードでした。