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日誌

彼女が、ダブルバインドの中で見たものは・・・

土曜日に第二回の南丹ラウンドテーブルが、知誠館で開催されました。
当日の参加者は、15名。
もともとは、若者の支援者のための学びの場としてスタートしたのですが、いつしか支援者と被支援者である若者とが一緒になって「支援」そのもののあり方を考えていこうという場になってきました。


今回のゲストは、知誠館の生徒でもあるMちゃん。
彼女は、小中学時代に不登校経験を持ち、高校に入っても1ヶ月ほど通ったものの、その後不登校そして自宅にひきこもるという経験を持っていました。
そんな彼女が、小学校時代から今に至るまでのライフストーリーを語ってくれました。
彼女は小学校の時、小規模校で1クラスしかなかったため、どうしても人間関係が固定され、その中でいじめの対象になってしまうというつらい経験を持っていました。
ある日、彼女はそのつらさをお母さんに伝えました。
お母さんは、それを先生に話したところ、その先生がいじめていた子をMちゃんに謝らせにいくという事態に発展し、彼女の人間関係はもっとこじれていったといいます。
そして彼女は、次第に学校へ行きづらくなっていきました。
でも、お母さんが強力に行きなさいというので、仕方なく行ってたそうです。
やがて中学へと進学したMちゃんは、もう何を言われてもヘラヘラと笑いながら、それをやり過ごしていくようになります。
それはMちゃんなりに見出した仲間たちとのかかわり方だったのかもしれません。
ところが今度はその態度を、薄暗い廊下で学校の先生に徹底的に否定されたのです。
「おまえは、そんな優柔不断な態度をとるからダメなんだ」と・・・。
Mちゃんなりに見出した仲間との付き合い方。
辛い状況の中で見出した唯一の方法が、その先生によって否定されたのです。
その瞬間に、彼女の中で何かが途切れていきます。
「もう何もかもが面倒になった」と彼女は私たちに語ってくれました。
その後彼女は、全く学校へ行かなくなります。
通信制の高校へ入学したものの1ヶ月あまりで、彼女はやっぱり行けなくなりました。
そして、半年ひきこもった後、知誠館へとやってきます。
それから1年、彼女は大きく変わりました。
そして今日、はじめてみんなの前で、自分自身の封印していた過去を語り始めたのです。
リアルな感情と同時に、彼女の眼にはうっすらと涙がにじんでいました。
そしてそんな彼女の声を聴いた人も、それぞれこみ上げる思いを持ったようです。
「ダブルバインド」
それは、八方ふさがりの状況を示すコトバです。
出口が見つからない、論理的な破たんを意味します。
しかし、この状態は、新しい世界へと足を踏み入れるとても大事な機会となるのです。
私たちはMちゃんの話を聞きながら、そんなことを学んでいたのかもしれません。
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京都府教育委員会認定フリースクール知誠館
通信制高校サポート校
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