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日誌

ゲーム制作の裏側!

先日、「森の出会い場」がありました。

今回はゲームが大好きで、いつもいろんなゲームの面白さを伝えてくれる男の子の希望で企画がスタートしました。

 

 

 

 

その男の子はいつもゲームをしながら、「ゲームって誰がどうやって作ってるんやろ?」という疑問を抱いていたんだそうです。

また、将来ゲーム制作に関わりたいという気持ちもあり、ゲームクリエイターとして働いている人を探すことになりました。

 

 

 

 

とは言え、ゲームクリエイターの人ってなかなか周りにいませんよね?

どうしよ…。スタッフの知り合いの中にもめぼしい人はおらず、暗雲が立ち込めていました…。

そんなときに出会ったのが、今回お越しくださった上田さんです!

 

 

 

 

実は、私が今後生徒たちとフィールドワークをしたいなぁと思っている、大阪は「釜ヶ崎」という地域に自ら足を運んでいたときに出会ったのが上田さんなんです!

“映画や文学に出てくる釜ヶ崎”というテーマで街を歩くという企画に偶然上田さんも参加しており、そこでいろいろとお話をしていると…なんと「ゲームクリエイター」だというではありませんか!

これはもう出会い場に来てもらうしかない!と勝手に決め込み、概要を説明して(半ば強引に)連絡先を教えていただきました。

それから数か月後、今日という日を迎えることになったのです。

 

 

 

上田さんはとても明るくて気さくな方なのですが、小学生の頃は今では考えられないほど内気で人見知りだったそうです。

インドア派だったので、家でレゴをしていることが多かったとか。でも、自転車に乗っていろんなところに行くのも好きだったそうです。

 

 

 

 

そんな上田さんにとって決定的だったのは、『Shade』という3Dソフトとの出会いでした。

中学のとき夢中で「科学部」の活動をしていた上田さんは、高校でも「科学部」の門をたたきます。

しかし、入ってみると実際は実験も何もできず日々パソコンをいじくる毎日…。

この悲劇が逆に、上田さんを今の道に突き動かしたのです。

 

 

 

 

 

上田さんは、進学校にいながら、大学には進学せず専門学校の道を進もうとしますが、ここで親の猛反対にあいます。

その反対を押しのけ、進学した専門学校での生活が今までの学生生活の中で一番楽しかったとおっしゃっていました。

やはり将来なりたいものが似ているから、同じような話で盛り上がれることが幸せだったようです。

 

 

 

 

 

その後ゲーム会社に就職し、12年間働いて、現在は独立しておられます。

上田さんの専門は「3DCG」という3Dのアニメーションで、パチンコから映画、ゲームやテーマパークまで幅広いアニメーション制作に携わってきたということです。

 

 

 

 

 

ここまでが上田さんの大まかなライフストーリーです。

生徒の中には、この話を聞いて

 

─自分は今高校3年だけど、上田さんのように進路を思い切って決めることができないので、すごいと思った

 

という感想を述べた男の子がいました。

 

 

 

 

確かに、進学校から大学に行かず、自分のやりたいことを実現するための道を選ぶことは容易ではないと思います。

上田さんはそんな時、「なんとかなるかな」と思ったと言っていました。

私はこのやりとりを聞いて、「なんとかなるかな」と思える力、そこからさらに一歩を踏み出せる力はいったいどうしたら育つのか…。そんんなことを考えました。

 

 

 

 

 

また、上田さんは生徒からの質問にも丁寧に応えてくださいました。

たくさんの具体例や、なんと上田さんが実際に手掛けたゲームを見せながら、ゲーム制作の裏側を私たちに見せてくれました。

 

 

 

 

ひとつのゲームができるまで、それを企画・構想する人、脚本を書く人、キャラクターを作る人、背景を作る人、音楽を作る人、キャラクターが動くようにする人、アニメーションを作る人…本当にたくさんの人が関わっていることを知りました。

簡単なゲームで30人、複雑なゲームになると300人以上が関わっていて、長いと10年ぐらいできるまでにかかるということでした。

 

 

 

 

 

上田さんはこの話の中で、「当たり前だけど大切なこと」を強調していました。

それは、「時間に対して厳しく(ルーズにならない)」、「仕事をやるときはやる、遊ぶときは遊ぶ(メリハリをつけて)」、「自分で自分をしっかり管理する(体調面もふくめ)」のみっつです。

 

 

 

 

今は独立して、営業も自分自身でおこなっている上田さんならではとも捉えられますが、これって学校でも仕事でも、誰かと生活していく上で基本となることだと思います。

じゃないと、自分のことを信用してもらえないし、一緒に生活できないですよね。

このあたりの話は、高校生になって今バイトを始めようと考えている生徒や、夜更かししていて朝起きれず生活リズムが崩れかけている生徒たちの胸に響いたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

こんな風に、今回の出会い場も、生徒が興味のあることだけでなく、その人を通して見えてくる「大切なもの」がたくさん詰まった回になったと思います。

生徒たちがそこからどんなことを持ち帰り、これから自分のものにしていくのか楽しみです。

 

 

 

 

 

忙しい中、めちゃくちゃしっかり準備をしてくれた上田さん、本当にありがとうございました!

出会い場の前の出会いに、心から感謝します。

次回は誰が来てくれるのか?!乞うご期待!!(たぶんタナカ先生が教えてくれます)