MENU

日誌

こんぺいとうキッズ

この春から知誠館にやってきたA君という男の子がいます。
小学校6年生のA君は、できることとできないこと、やりたいこととやりたくないことの差が激しく、関わっていて飽きることがありません。
でこぼこ上等、こんぺいとうのような男の子です。


A君は学習に関しては基本的に、実際の学年より大きく遅れています。
漢字も小学2年生のところを学習しなおしていますし、算数も九九が危ういので練習中、社会は日本の都道府県の「都道府県」って何?という感じでした…。
かと思うと
─先生、マリアナ海溝って知ってますか?あそこにはめっちゃキモイ生き物がいっぱいおるらしいで!
─この前、川でオオサンショウウオ捕まえた!ヌートリアはめっちゃでかいし足速いねんで!
─これ(サンドイッチ)?自分で作った。これくらいの料理はふつうに作るで
─昨日はカブトとコクワとしか捕まえられへんかったわ~。みんなで生き物取りに行きたいな~
と、生き物に詳しいところや生活能力の高さを発揮したり…。
なんとも言えないこんぺいとうっぷりなんです。
そんなA君とこの前、社会を一緒に学習していたときの話です。
私たちは「重化学工業の盛んな都市トップ5」を調べていました。
私自身、そんなことを知らなかったので、へ~と思いながら学習をすすめていたのですが
─ていうかさ、A君そもそも「重化学工業」って何かわかってるん?
─うーん、知らん!
─俺もちゃんと説明できひんし、調べるか
ということで、YouTubeで「重化学工業」に関する動画を見ることに。
途中、私は他の子の学習を見る必要があったので「あとでどんな話やったか聞くし教えてな」と言ってその場を去りました。
しばらくすると、A君が私の筆箱を漁ってメモ帳を取り出し、自分でメモを取り始めました。
正直これには驚きました。
いつも「字書くのめんどくさい~」と言って何でも頭の中でだけ考えてきたA君がメモを取っている…!?
今日は雪でも降るのか…!?
そんなことを思いながら、学習の最後に「A君の見たこと教えてくれ、結局「重化学工業」って何なん?」と聞くと、
メモ帳を見ながら「○○とか××とか□□とかを作ってるらしいで!他には…」といろんなことを教えてくれました。
そのメモを見るとまたも驚き、なんと全部「ひらがな」で書いていたのです。
A君からしたら、こっちのほうが書きやすいのかもしれませんが、読みにくさは抜群です。
ひらがなで書きたいから書いているのか?
それともひらがなでしか書けないのか?
A君と関わっていて、A君が何か学習の面で困難があるとか、認知特性に偏りがあるとは考えられません。
つまり、公教育で勉強をするという経験がごっそり抜け落ちてしまっている「未教育」な状態である、といったほうが適切かもしれません。
こう考えると、A君はひらがなでしか書けないのかもしれません(しかも、ぐちゃぐちゃの笑)。
でも、そんなA君が自らメモを取ったという行為は何を意味するんでしょうか。
A君を見ていると、いつもワクワクします。
それは自分の興味のあることに100%の力を注いでいる感じがするからなのかもしれません。
これからもこの「こんぺいとうキッズ」に目が離せません。