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日誌

「人間って何?」

あなたは宇宙船の乗組員です。
宇宙人と遭遇したとき、「人間って何?」そう質問されたとします。
あなたなら、どう答えますか?


今回で第3回目になる作文ゼミでは、「他者に説明する」ということをテーマにしました。
その中で、宇宙人に「人間」を説明しようという課題が出てきました。
直立二足歩行、文字や道具を使う、言葉を話す・・・。
教科書に載っていることであれば答えが思いつくかもしれませんが、それだけで「人間」を表すことができているのでしょうか?

生徒たちは2つのグループに分かれて、ああでもないこうでもないと意見を出し合っていました。
面白いことに、それぞれのグループの意見には一定の特徴が見られました。
一方のチームは、アリストテレスの「人間は社会的な動物である」という言葉を思い出させるような内容で、もう一方のチームはベルクソンの「工作人(ホモ=ファーベル)」という言葉を思い出させるような内容でした。
そして、その2つのグループの意見の中で矛盾する内容が出てきました。
それは、「人間は一人では生きていけない」という意見と、「人間は武器を使って攻撃する」という意見でした。
授業はその後、生徒たちの白熱した議論とともに進んでいきました。
結論を出すことが目的ではなかったので、みんなそれぞれ思い思いに定義をして授業は終了しましたが、中には「人間はそもそも簡単に定義ができないものだ」と定義していた子もいました。
この授業に参加していて、すべての科目はつながっていると改めて感じました。
作文ゼミという名前でおこなっていた授業が、それぞれがどこを掘り下げて学んでいくかによって、何を学んでいるかの名前が変わるだけ。そんなイメージでした。
こうしたイメージを持つことも、実は私が学校化されているからかもしれません。
英語・国語・数学・理科・社会・・・
カリキュラムにしたがって時間割を設けること、もっと大きな話では教科というくくりで勉強を分けること
こうした当たり前のことが、私たちの学びを見えにくくさせているのかもしれません。
そんなことも考えながら授業に参加していました。