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日誌

「フリースクールで勉強する」ってどんなん?【小中学生編】

 

 

こんにちは、学びの森の田中です。

 

学びの森のあるここ亀岡は、夏も冬も、京都市内より体感気温がかなり低めです。夏は涼しいからいいものの、冬は寒い、すごく寒い。ですが今は気持ちのいいお天気が続いているので、学びの森の裏にある小さな森の丸テーブルでお昼を食べるのもいいな~と思っております。思っているだけで、いつもお昼になるとおなかがすきすぎて森の存在をすっかり忘れ、気づいた時にはもう「いただきまーす!」状態なのですが。

 

 

 

 

学びの森の玄関に咲く花々も、この時期ならではの陽気が気持ちよさそうです。

 

 

 

 

 

さて前回更新した、こちらの記事。

 

フリースクール、不登校じゃなくても通えます。

 

 

 

学びの森フリースクールの生徒には、

 

・学校に行けなくなり学びの森にやってきた人

・学校には行っているが、よりその人に合った学びを求めて学びの森にやってきた人

 

の2つのパターンが存在することをお話しました。

 

 

 

ここ学びの森フリースクールは、遊びながら過ごしたり、体験活動だけ行ったりする場ではありません。「学び」の森という名前がついているので、「学ぶ」場、いわば「勉強する」場所なのです。

 

(もちろん子どもたちのケアをまず重視しますし、遊び、体験の機会も大切に考えています)

 

 

 

そこで今回は前回に引き続き、じゃあ

 

学びの森フリースクールって、どんなふうに「学ぶ」の?

 

ということを整理してみたいと思います。

 

 

 

フリースクールハイスクールという区分によって学習する内容や求められるもの、学校連携のあり方などが変わってくるため、その2つに分けてここでの学びの特徴をご紹介したいと思います。まず今日は、小学生・中学生を対象としたフリースクールから。それでは、いってみよー!

 

 

 

 

 

①今いるところからスタート

 

 

   

 

小学6年生でも、小4の漢字が曖昧であれば、そこから始めます。

 

 

学びの森の学習には、「学年」という概念がさほどありません。漢字、算数、数学、英語…あらゆる科目において、その子が「分からない」ところまで遡り、そこからスタートします。

 

もちろん「卒業」というリミットや中学生は定期テストがあるため、仕上げたいラインまで届くよう時間とメニューを工夫し学年相当の内容と並行して進めますが、子どもたちが確実に「分かる!」という実感と共に学べるよう、その子だけの学習計画を立てて進めていきます。

 

 

 

②学ぶことにわくわくする時間を持つ

 

 

 

 

小学4年生の女の子がローマ字を使い全て自分でタイピングした、「おおきなかぶ」の本文とそれにつけた挿絵。

 

 

学びの森では、子どもたちが学ぶことにわくわくできるよう、できるだけその内容や方法を工夫しています。

 

ローマ字を覚えるためにただひたすら書くだけではつまらない…という場合は、より実践的にパソコンを使い物語をローマ字で打ち、挿絵もつけてみたり。探究の時間で「紙」の歴史について学んだあと、実際に自分たちで紙づくりをしてみたり。自身が学ぶ中で興味を持ったことについてまとめて、プレゼンしてみたり。いろんなプロジェクトを自分たちでプロデュースしていったり。

 

「こういうことか!」「なんでこうなんの?」といった「!」「?」を感じながら学べるように、試行錯誤しています。

 

参考記事:「おおきなかぶ」「演劇は最高の遊び

 

 

 

③苦手なことは負担を減らしてやってみる

 

 

 

九九がなかなか覚えられない時は、九九表を見ても大丈夫。

 

 

誰にだってある、苦手なこと。学びの森では、まずはこの場所とここでの学習に慣れてもらうために、そして勉強することが「嫌だ」という先入観を持たせないように、生徒一人ひとりの「苦手なこと」は、負担を減らしてトライしてみます。

 

字を書くことが苦手な子には、書く量を減らしたプリントを用意したり、社会が苦手な子とは、好きな「車」と関連づけて学んだり。

 

もちろん存在する「必ずやらなくてはいけないこと」は生徒と共有して、どう向き合うかを話し合いながら進めていきます。ですが意外なことにこうして負担を減らしてスタートを切ったとしても、学習を進めていくうちにいつの間にか出来るようになっていくのが子どもたちのすごいところだなーと思います。

 

 

 

④学校と連携、学びの森に来ることが学校の出席になる

 

 

 

学校と連携して、実技科目の学習の機会も確保できるように動くことも

 

 

学びの森は、「京都府教育委員会認定フリースクール」です。…なんのこっちゃ。そう思われる方も多いのではないでしょうか。文字通り、ここは京都府教育委員会が認めたフリースクールなので、学びの森に来ることが、学校(在籍校)の出席になるのです。

 

在籍校とも連携しながら、子どもたちの学ぶ機会をより適した形で確保できるように動いています。

 

 

 

 

 

 

ここまでが、学びの森フリースクールでの小学生と中学生の学びの共通した特徴です。

 

中学生になると、高校への進学を見据えた定期テストの実施といった変化が起こってくるため、これに加え以下の特徴が挙げられます。

 

 

 

 

 

 

【中学生】

 

 

⑤その子のペースに合った定期テスト準備を考える

 

 

 

学校の教科書準拠のワークで学習を進め、定期テストに備える子も

 

 

先ほども言ったように、中学生と小学生の大きな違いは定期テストの存在。

 

ここ学びの森での定期テスト受験が可能なので、その子の精神的な状況、学習の状況をふまえ、定期テストを受けるか受けないか、受ける場合は事前にどんな準備をして、本番はどんな配慮をして受けるか。そんなことをスタッフ間や学校の方、そしてもちろん本人と話し合い決めていきます。

 

たとえば、学校はおろか家からもなかなか出られない状況から少しずつ動き出し、ようやくここに来れるようになった子にいきなり定期テストを受けろというのはかなりの負担です。そういった子には無理をさせず、まずはここに安定して来れるようになることを第一に、定期テスト受験を見送ることを提案する場合もあります。

 

あるいはテスト問題用紙が見づらく情報を処理しづらいと感じる子には、問題ごとに色付けするなどの工夫ができるよう学校に交渉することも。

 

 

 

⑥保護者、本人と面談を重ね、進路・入試を考える

 

 

 

全スタッフが出席する学期ごと年3回の保護者との面談(1回40分間)、定期的な生徒との塾長面談で、一緒に進路を考えます

 

 

中学生になると見えてくる、卒業後の進路をどうするかという問題。

 

全日制の高校を目指すか、学びの森ハイスクールに進むか、そのためにどんな準備が必要か、入ったとしても卒業できるか、親子それぞれの思いにギャップがないか…。時間をかけて面談を行い、様々な可能性を検討し、生徒や保護者の方にとってよりよい道を探っていきます。

 

進路の方向性が決まれば、数十年以上の学習塾での指導経験を活かし、出来る限り希望する進路に進めるよう一緒に努力します。普段の生活で交わすコミュニケーションの中で、受験へのプレッシャーや勉強の不安をちゃんと共有することも心がけているところです。

 

 

 

 

 

はー、長くなってしまいました!

 

最後まで読んでくださった猛者がいらっしゃるのかどうか思わず不安になってしまいますが、私タナカの思う学びの森フリースクールの学びの特徴を整理してみました。

 

 

 

実は、私が自分の仕事を説明するために日常生活の中で「フリースクール」という言葉を使っても、ここがどんなことをしている場所なのかをその一言で理解してもらえることはほぼありません。

 

それだけ「フリースクール」という言葉の指す範囲が広いと同時に、その広さを理解している人は少ないということかと思います。だから、うちはこんなことしてる場所です!というのをどんどん発言していった方がいいのではないだろうかと思い、まずは自分の庭、ブログでやってみよう!と。

 

 

書き進めていくうちに「なんかこれ宣伝みたいになってきてちょっといややなぁ」と思いもしたのですが、裏を返せば、ここで普段やっていることがここの特徴ということは、その特徴ってすなわち宣伝できるような個性的なことなんじゃないのか、ならそう思っても書いてしまえ!と思い、最後まで書き切ってしまいました。

 

 

 

今回は「学び」にフォーカスをあてたため、まるで勉強一色かのような記述になっていますが、そんなことはありません。休み時間の楽しみ方、体験活動の楽しみ方、「おもろい」大人に出会う時間…。いろんな側面を持った場所なので、その辺りも追って詳しくご紹介できればと考えています。

 

 

さて次回は、高校生を対象とした学びの森ハイスクールの「学びってこんなの!」という特徴を書いてみたいと思います!