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日誌

卒業式

 

今日3月24日金曜日、学びの森フリースクール・ハイスクールの卒業式が行われました。

 

 

 

 

今年度の卒業生は、中学生と高校生の5名。引き続きここで高校生活を送る人もいれば、

別の場所で次の進路に進む人も。また6年以上いた人もいれば、まだ4ヶ月しかいない人も。

卒業式はスタッフや生徒による手作りで、送辞や答辞は型にはまった挨拶ではなく、笑い声も飛び交う。

いろんなところで、ふつうの学校の卒業式とはひと味違います。

 

しかも今年の卒業式は、生徒たちの完全自主企画でした。

 

卒業式でどんなことをするか。何にどれくらい時間を割くか。

事前準備とその指揮は誰が担当するか。すべて生徒たちが決め、実行してきました。

 

 

 

 

準備段階ではつい口を出したくなるのを抑え、進行状況を把握するだけの

見守り役に徹するのに必死でしたが、出来上がった今日の式に参加して、感動してしまいました。

 

卒業生全員で考えていた答辞、みんなで歌うために練習してきた「旅立ちの日に」、

卒業生がいちから制作してくれた卒業アルバム、話し合いで企画が決まった

謝恩会での幼少期の写真当てクイズ、在校生が作ってくれた思い出を振り返るスライド。

 

企画段階からみんなの合意のもと、みんなの「参加」があると、

卒業式のプログラムひとつひとつがこんなにも心震えるものになるのかと、

ふつうの学校の既存のプログラムに則った卒業式しか経験したことのない私は、新鮮な驚きを感じました。

 

 

 

 

一人ひとりがいろんな状況の中やってきた、学びの森。

卒業生のみんなは歳も個性も状況も全然違いますが、一つ言えるのは、ここで確実に強くなった、ということ。

 

「集団行動なんてできない」と言っていた子が

みんなと一緒に出かける体験学習にためらいなく来れるようになったり、

学びの森の教室にすら入れなかった子が高校受験を突破したり、

毎朝車で送ってもらって通学していた子が

ひとりで電車とバスを使って来れるようになったり、

蚊の鳴くような声でしゃべっていた子がみんなの前で大きな声で言葉を言えるようになったり。

 

いろんなことを知り、学びながら、彼らはこんなにも変容してきたのか、と改めて思い出しました。

 

 

今日でここから巣立つ人も、これからもここで学ぶ人も、みんなのこれからに、

楽しさとときめきと幸せがいっぱい降ってきますように。そしてそれにみんなが気づけますように。

 

そんなロマンチックなことを祈らずにはいられない一日でした。

 

卒業、おめでとう。

 

 

田中