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日誌

”宇宙”から見えてきたこと

どうも、学びの森のキノシタです。

<教養講座(宇宙)>が先週でもう第4回目を迎えました。

僕が病に臥していたこともあり、初回以降の様子をお伝えできていなかったので、今日はハイライトでお伝えしたいと思います。

 

【第二回:太陽系・銀河系】

この回は僕たちのいる太陽系、銀河系を探索しました。

 

導入は宇宙のトイレ事情について。

宇宙ステーションでは、みんなどうやって用をたしているのでしょうか?

当然水で流すことはできません。

かといって宇宙の外にポイっと捨てるわけにもいきません。

 

宇宙飛行士の野口さんがトイレを分解しながら仕組みを説明している動画を見て驚愕!

 

 

なななんと、宇宙では水はすべて再利用するそう。

ということは、おしっこもちゃんと浄化してから飲んだりするってことです!!

宇宙でそこまでの浄化装置があることも驚きでしたが、水という資源がいかに貴重か思い知らされました。

 

さて、最初のミッションは「火星探索」!

JAXAのMMX(Martian Moons eXploration)という、世界初の火星衛星サンプルリターンミッションをゲームを通して体験しました。

 

 

僕も実際にこのゲームをやってみたんですが、よく考えて作られているのが伝わります。

実際の現場でもこんな風に議論したり試行錯誤したりしながら、ミッションが進められていくんだろうなぁと。

興味のある方は是非一度遊んでみてください。

 

次のミッションは「太陽系づくり」!

手も頭もフル稼働させるのがこの講座の面白いところ。

太陽系の惑星を切り抜き、太陽から距離が近い順番に並べます。

 

 

 

みんな「水金地火木土天海」とつぶやきながら並べていたのですが、色と大きさが似ていると「これ何星やっけ!?」とプチパニック。

自分で調べたり、誰かに聞いたりしながら頑張ってつくっていました。

 

背景に絵を描いてオリジナルの太陽系をつくる生徒も出現。

この講座を通して、その子の中に宇宙をめぐる「物語」が紡がれているのがわかります。

「物語」が自分でつくれるということは、一つひとつの現象の意味を理解して、新しい意味を見出そうとしていることと同じだと僕は思います。

他の生徒はどんな「物語」を紡いでいるのか、また聞いてみたいですね。

 

最後のミッションは「宇宙旅行」!

Mitakaというソフトを活用し、太陽系・銀河系を超えて宇宙の端っこへ行きました。

リング星雲、コーン星雲、オメガ星雲、大マゼラン雲、アンドロメダ銀河…どんどん僕たちが今いる場所から遠ざかっていきます。

そして宇宙全体が見えるまで遠ざかったときに、改めて宇宙ってすごいなぁ…と感動しました。

 

この講座の裏テーマは「知らないことが、すばらしい!知らないことを、探しにいこう!」でした。

きっとこのMitakaをつくった人も、JAXAの人も、NASAの人も、まだ知らないことが盛りだくさんの宇宙に魅了され、研究し続けているんだと思います。

生徒たちが大人になったときには、どれくらい「知らないこと」が解明されているのか?どんな新しい「知らないこと」が見つかっているのか?楽しみになりました。

 

【第三回:宇宙のはじまりは?】

この回僕は体調不良で欠席…。

生徒に何をしたか聞いてみると、なんと天体望遠鏡を作ったとのこと!

 

 

老眼鏡のレンズやルーペ、厚紙でできちゃうんですって!

でもこれがまた難しく、みんな苦戦中なんだそう。

次回も引き続き望遠鏡製作に取り組むようです。

 

 

また、この回では太陽がどうやって膨大なエネルギーを生み出しているのか?について、NASAのゲームをプレイしながら学習したようです。

このブログを書いている途中で太郎先生に核融合反応について説明してもらったんですが、これが非常におもしろ難しい。

NASAのゲームはその理論を感覚的に理解できるようにつくられているようで、ゲームと理論とを一緒に学べるような機会になっていたら一番良いのかなと思いました。

 

 

最後はみんなで「宇宙のはじまりはどんなカタチ?」というテーマについて考えたみたいです。

なぞの絵がホワイトボードに描いてあったのはこのためだったんですね。

答えのない問いについて自分なりの仮説を立てること、それを他者に伝わるように表現すること、がたくさん詰まった回でした!

 

【第四回:太陽暦・太陰暦】

この回は、太陽と月と地球について考えました。

 

―そろそろ節分やけど、何で節分ってあるの?

湯川さんから突拍子もない質問が投げかけられて講座はスタート。

 

僕は恥ずかしながら「二十四節気」という言葉を知りませんでしたが、どうやらこれが今回のテーマと絡んでくるみたいです。

この二十四節気、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたものでして、そういう分け方にするのは日本が「太陽太陰暦」を使用していたからだそうです。

 

僕らは普段意識せず「暦」を使って生活しています。

でもそれを最初につくろうとした/つくる必要があったわけで、当時の人たちが目をつけたのが「太陽」と「月」なんですね。

そう考えると、なんかものすごいことの上に自分たちが乗っかっているような気がしました。

「当たり前になっていることを問うことが、物事の原理・原則につながる」という湯川さんの言葉がとても印象的でした。

 

 

その後は「月齢早見版」をつくり、「旧暦の月の名前」を調べました。

月齢早見版は比較的簡単につくることができました。

今日の月の形を調べて「これ”下弦の月”ってやつちゃう?」と言ったりしている姿を見ていると、昔の人もこんな感じで月と親しんできたのかもなぁとしみじみ。

日本だけでなく、他の国々でも同じように身近な存在だったはずの月について、もっと知りたい!と思える時間でした。

 

ここでホットなニュースがひとつ!

日本の無人探査機「SLIM」が、着陸目標地点との誤差を100メートル以内とする世界初の「ピンポイント着陸」に成功したとのこと!!

と言われても、僕にはそのすごさがさっぱりわからなかったのですが…。

さっき調べてみたらこりゃすごいことに成功したようです!!興味のある方はぜひ調べてみてください!!

 

そんな「SLIM」を体験できるゲームも、JAXAが出してるんですねー。

てなわけで、みんなで挑戦。

生徒たちは簡単そうに操作していましたが、僕は全然上手くできず!!

みんなに「センスない」と言われる始末でした。

 

 

最後に、月の裏側をみんなで探索しました。

月は地球の周りをまわっていますが、いつも僕らに見えているのは同じ側だけ…。

なぜ同じ側しか見えないのか?裏側はどうなっているのか?

これらの問いをみんなで考えました。

 

ある生徒は、

隕石は地球よりもまず月に引き寄せられるから、月の裏側には大量の隕石がぶつかっているはず!

だから月の裏側はすごい凸凹だと思う!

と絵を描きながら力説していました。

 

 

 

なるほど…。

ってことは月が地球を守っているという側面もあるのかもな。

「お陰様」ってそういう意味なんか?!

と僕の中で妄想が膨らみました。

 

ここ数回の講座を通して僕が感じるのは、

①世界各国が「宇宙」を見据えて研究や教育を進めようとしているということ

②結局「自分なりの問いを見つけ、仮説を立て、どうやったら検証できるかを考え、検証した結果を省察する」という思考のプロセスが大切

という二点です。

 

①は今後もっと激化するだろうし、その結果とんでもない格差も生み出しそう…。

だとすれば②の力を伸ばして、どんな状況にも対応できるようになっておく必要ってあるんじゃないか?!

じゃあ、それを実現するための条件って何だろう…?

そんなことを今ぐるぐると考えております。

 

宇宙の講座も残すところあと2回!

現象の知識を得るところから、そもそもの議論につなげられたらいいなぁ。

では、また~