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日誌

どうも、学びの森のキノシタです。

インフルエンザが猛威をふるっているらしいですが、皆様体調はいかがでしょうか?

生徒も体調を崩している子が多く、早く回復したらいいなぁと思う今日この頃です。

 

さて、結局3週連続となった<教養講座(身体)>inハルマチ。

今日がその最終回『種をもつこと』でした。

 

今日を迎える前に、何かしらみんなの中でやりたいことがあったみたいです。

特にお昼ご飯は、亀谷先生と生徒の間でカレーをつくりたいね、みたいな話になっていたらしいのですが…。

 

亀谷先生が諸事情により欠席!

しかもそれを出発直前に知らせるという僕の怠慢さ!

みんなさぞ焦ったことでしょう笑

 

でもでもこういうアクシデントは生きているうえで当然出てくるわけで。

それを即興でなんとか乗りこなしていくのもまた生きるということなのです。

というわけで、今回は柳さんと一緒にお昼ご飯づくりに挑戦することに。

 

 

一方、火起こし部隊は「使えなくなった箪笥を破壊して燃やす」というハードミッションが。

箪笥を母屋から運び出すのも一苦労なのに、それをめちゃくちゃ重いハンマーで解体していく+燃やすだなんて。

 

一つひとつの工程で「これどうしたらいいんやろう?」と、一緒に知恵を出し合いながらミッションに挑戦していました。

生徒たちの表情を見ていると、実際に「モノ(道具も含む)」と対峙したときに、その「モノ」の持つ怖さと面白さの両方を体験しているような気がしました。

火ってこんな熱いんや、木ってこんな硬いんや、ハンマーってこんなパワーなんや、みたいなことの積み重ねが、「モノ」やそれと対峙してきた歴史に対する畏怖みたいなものを学ぶことにつながっているのかなぁと思います。

 

 

2階改修部隊は、フローリング部分と床の間のワックスがけをしました。

このワックス、まず開け方がわからんというところからスタート。

やりたいことや楽しいことのもっと前に、最初のハードルはあるということを思い知らされました。

 

 

こちらの部隊は、みんな何かしら作業することを通して、この部屋に思い入れがあるのが伝わります。

ここは自分が手掛けたんだという感覚が、目の前の空間に満ちていくときの気持ちってなんて表現したらいいんでしょうか?

きっと「仕事をする」って、こういうことなのかもしれないなぁとか考えながら、作業に没頭しておりました。

 

 

それぞれが一仕事した後に食べたカレーは最高に美味しかったです!

隠し味の柿もさることながら、柳さんと生徒が良いコミュニケーションをした証が味に出てる気がしました。

どんな話をしたのか、また聞いてみたいですね。

 

 

そうそう、いつもこの講座のときにお家のトイレを貸してくれている方へお礼もこめてカレーを差し入れにも行きました。

Uber Eatsや!と言いながらロードバイクで駆けていく後ろ姿は、なんだか様になっておりました。

 

お腹もいっぱいになり、少し休憩をしたら後半戦。

引き続きミッションに取り掛かる人もいれば、新しくミッションに挑戦する人も。

持ってきたSwitchで遊んでいる様子からは、彼らのそういう「日常」も、ここでは何か「特別」な意味を持つのかなぁと微笑ましく見ておりました。

 

 

 

ハルマチでの時間や空間は、学びの森よりもゆったり過ぎていきます。

でも真剣にそこでの生活を営んでいると、ゆったりなんだけどあっという間。

最終回も「もうこんな時間か!まだやり残したことだらけ!」と相成りました。

 

講座を締めくくる、いや、改めて今日という日から何かを始めるために振り返りをしました。

「過ごすこと・つくること・種をもつこと、という3日間を過ごす中で、どんな出来事に出会った?」柳さんがみんなに問いかけます。

畳をものすごい火力で燃やした、大量のご飯を炊いた、ノミで木を削った、畑に生えている野菜を採ってすぐ調理した、職人さんの仕事を目の前で見た、のんびり本を読んだ、いつもとは違う対話をした、自転車で冒険した、犬と会話した、ひとりで散歩した・・・

 

出来事としてはここに書ききれないくらい、本当にたくさんありました。

それらの中から生徒たちが「これかな」と思って言葉にしたもの、言葉にならないけど何かを感じ取ったもの、それが「種」なんだと思います。

 

その種は、今すぐ蒔いてもいいし、蒔かなくてもいい。

蒔いた時期や場所によっては芽が出ない場合もある。

蒔いたら当然、大事に世話をする必要がある。

一人で世話ができないときは、誰かと一緒に世話をすることも必要になってくる。

どんな世話をしたら芽が出るかは、やってみないと分からない。

失敗するかもしれないし、成功するかもしれない。

芽が出て、やがて実ができたら、収穫もすると思う。

収穫したものは自分で食べてもいいし、誰かと分けてもいい。

他のものと交換したら、何か面白いことが起こるかもしれない。

そういう営みのすべてに、新しい「種」はつくられている。

 

なんとなくですが、そんな感じのことが起こる予感(これも「種」かな?)を、この3日間でつくれたような気がします。

生徒たちにとって、また関わったスタッフにとって、一番残っている「種」は何か?それはなぜそうなのか?その「種」の持つ意味は?

ハルマチから学びの森へ場所を変えて、みんなと考えていきたいと思います。

 

そしてそして、この振り返りの時間にもうひとつ印象的な出来事が起こりました。

それは様子を見に来てくれた吉田先生の語りから。

 

生徒たちは(僕も含めて)この間、吉田先生とあまり関わる時間がありませんでした。

それは吉田先生が放課後デイを担当してくれていて、あまりフリースクールの部分に関わる機会がなかったからです。

 

だから、吉田先生がどんなことを考えながら生きてきた/いるのか知らなかったんです。

でもでも、かれこれ30年以上も土を耕し、野菜をつくり、試行錯誤しながら、営み続けてきたという物語を聞きました。

そして今は、その営みを通して感じる大事なことを、次の世代に伝えたいという想いもあるそうです。

 

僕は個人的にこの時間が一番感動したというか、ハルマチでしかできないことだったような気がしています。

吉田先生の物語と、ハルマチで起こり始めた物語が、あの時間と空間だからこそ交差したのではないかと思うんです。

こういう機会をつくることが、僕のやりたいことかもしれない。そんな気づきも得ることができました。

 

 

長くなりましたが、これにていったん中高生対象の講座は終了。

次は小学生にバトンをつなぎ、冬休み明けから講座をスタートさせます。

どんなことが起きるか、楽しみですね!

では、また~