ただの”住人”として
どうも、学びの森のキノシタです。
先日「ハルマチ」という街へ行ってきました。
ハルマチは、学びの森でもお世話になっているアーティスト柳雄斗さんの活動拠点のひとつ。
変わっているのは、ここが”実在する”街ではなく、”架空の”街であるという点です。
”架空の”ってどういうこと?
不思議に思われた方に向けて、以下に柳さんの説明を引用しておきます。
【ハルマチプロジェクト】
「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を考える東京藝術大学履修証明プログラム『Diversity on the Arts Project』(通称:DOOR)から一年間にわたる長期レジデンスプログラム『アーティスト・イン・そんぽの家嵯峨野』が始動しました。
2020年7月1日より、京都嵯峨野にある高齢者向け住宅にアーティストの柳雄斗が一年間住み込み、高齢者や地域住民とコミュニケーションをとりながら日々制作を行ってきました。
その日常から誕生したのが架空の街を作る「ハルマチプロジェクト」です。
この度、プロジェクトの舞台を南丹市八木町に移し、様々な物語を紡ぐ場所が誕生します。
2023年5月下旬ハルマチウェブサイトにて情報、プレスリリース予定:harumachiproject.com
僕は個人的に、嵯峨野のハルマチにも行ったことがあります。
こんな関係やプロジェクト、街のつくりかたがあるんだと驚かされたし、何か僕も手伝いたいなぁと思いました。
柳さんには学びの森での活動にも参加してもらったり、講座を担当してもらったりしながら、お互いの活動が交差する/混ざり合うような形を一緒に考えてもらっています。
そんな中今回、新しいハルマチでじゃがいもが収穫時期を迎えているとの情報が入ってきました。
これは行かねば!と思い、お手伝いをさせていただくことに。
生徒やそのご家族も一緒に是非、とのことだったので、急遽ではありましたが参加の案内をさせていただきました。
急すぎるし、天気も微妙やし、どうかなぁ~
と思っておりましたが、保護者の方のご協力もあり、11名が参加してくれました。
今回の収穫祭は、学びの森の公式なイベントではありません。
柳さんの活動を手伝うという僕自身の活動の一環、みたいなニュアンスが強いものでした。なので、
柳さんがどんな想いでこのプロジェクトを進めているか説明を聞いたり
もともと萬屋だった母屋の掃除をしたり
2階の物置からお気に入りの一品を見つけ、それを縁側に展示したり
じゃがいもを掘ったり
一つひとつのプログラムが進んでいるとき、僕は「木下先生」ではなく「ハルマチ住人きのした」でした。
みんなが掃除をした後の片付けをしたり、みんながじゃがいもを掘っている間に火をおこしたり、とってきてくれたじゃがいもを焼いたり。
ただの住人として、僕なりの仕事を淡々とこなしていく。
ただの住人として、生徒や保護者の方と関わる。
そういった新鮮さが、その場にはあったような気がします。
こういう関係性が変化する瞬間って、改めて大事な気がしました。
また、僕自身が「これが僕の活動!」と呼べる活動をし続けることや、その活動に生徒が参加することも大事かもしれないと思いました。
それぞれが個としてやる、でも一緒にやりたいときは集まれる、みたいなネットワーク。
そんなネットワークを社会の中につくっていくことを、僕はしたいのかもしれないなぁ~
じゃがいもを美味しそうに食べている子どもの顔、それを微笑ましく見守る保護者の顔を見ながら考えておりました。
さて、この秋はここハルマチで「お祭り」をつくろうと思っています。
その場をただ貸してもらうんじゃなくて、その場の住人としてお祭りをつくる。
そのためにできることを、一つひとつ丁寧に考えていきたいと思います。
では、また~