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日誌

データへの感性

どうも、学びの森のキノシタです。

先日<データサイエンス>という講座が開講しました。全6回の連続講座です。

 

講師は、学びの森の<プログラミングロボット教室>に関わってくださっている、湯川久仁彦(ゆかわ くにひこ)さん。

湯川さんは昨年、<理科実験>の講座も担当してくれた、凄腕のエンジニアです。

※<理科実験>の様子が気になる方は過去のブログをご覧ください。

 

データサイエンスってなんぞや?

僕が湯川さんと講座の打ち合わせをしているときに、真っ先に出てきた疑問です。

 

湯川さんの言葉によると

「データを使って世の中を理解したり問題を解決したりすること」

だそうです。

 

今の時代は、ネットですぐに色んなことを検索できますよね。

検索したいワードを入力し、検索ボタンをクリックすると、実にたくさんの情報が出てきます。

 

それらのうち、どれが正しい情報なのか?どれがウソの情報なのか?

僕たちにはそれを判断する力、いわゆる「メディアリテラシー」が求められていると思います。

 

今回の講座では、そういった「情報=データ」への感性を養うことを目的にしています。

具体的には、ただデータを鵜呑みにするのではなく、いつのデータなのか?出所はどこ?と問う姿勢や、データを取捨選択して他者に伝わる形に落とし込む表現方法を学びます。

 

そんな<データサイエンス>初回のテーマはこちら!

 

 

『世界のトイレを見てみよう!?』

 

なんじゃそりゃ!と思われる方もいるかもしれませんが、湯川さんは大真面目。

最初の問いは「外でウンチをする人の数は?」でした。

 

これまでに無い角度からの質問に、みんな驚きの表情。

湯川さんは「間違ってもいいから、どれくらいか予想してみよう」と声をかけます。

 

10億人!

2000万人?

100万人!

400人?

 

色んな予想が飛び交います。

皆さんはどう思いますか?

 

正解は・・・

 

世界の人口:75億4800万人

外でウンチをする人の数:6億7300万人

出典)ユニセフ、WHO「飲み水と衛生の進歩と格差(2000年~2017年)
参考)子ども統計学 バウンド:著 渡辺美智子:監修 株式会社カンゼン(2020)

 

なんと、約10人に1人が外でウンチをしているんです!(2017年時点)

これにはみんな、え――――――?!マジか?!と口をあんぐり。

 

「じゃあこっちを見てみよう」

湯川さんがもうひとつのデータを示します。

 

 

「さっきとどこが違う?」

湯川さんの問いに、みんな画面を食い入るように見ていました。

 

あ!数が減ってる!!

ひとりの生徒が「いつのデータなのか?」に気づきました。

 

2017年の時点では6億7300万人だったのが、2020年には4億9400万人に減っています。

「なんで減ったんやろう?」湯川さんがまた問いを投げかけます。

 

こうしたやりとりを見ていて、知識(データ)を覚えているかって大事ってことじゃないなぁ、とつくづく思いました。

http://arkot.com/jinkou/ ←これを見ても、「世界の人口」というデータは刻一刻と変わり続けています。

 

つまり、僕たちの身の回りにあるデータは日々変わり続けているし、今後どうなるかみんなわからないということ。

そう考えれば、知識(データ)をどれだけ詰め込んで覚えているかではなく、その知識(データ)をどうやって活用するか/どうすれば活用できるかを考える力を身に付けるほうがよっぽど大事だと思います。

 

また、湯川さんは自分が集めたデータをどこから取ってきたか、一つひとつ丁寧に説明していました。

その中で「僕はWikipediaは信用性が無いと思っています。なぜかわかる?」という問いが。

 

ある生徒は「色んな人が好きに書き換えれるからちゃう?」と返答。

生徒の中にはWikipedia最強説を唱える子もいましたが、このやりとりを経てそれが揺らいでいたのが面白かったです。

 

今回湯川さんがつくってきてくれたスライドには、たくさんのリンクが貼りつけられていました。

その多くが、今まで僕が見たこともない出典でした。

 

ネット上に数多あるデータベースの中から、どのデータベースが信用できるのか?

先ほど僕は「知識(データ)をどうすれば活用できるかを考える力を身に付けるほうが大事」と言いました。

 

しかしその前に、どうすれば信用性のある知識(データ)にたどり着くことができるかという知識(データ)も大切だと気づかされました。

う~む…データサイエンスって奥が深い…。

 

さて、講座は「ピクトグラム」の話に。

「みんなトイレのマークってどんなんやった?紙に描いてみよう」

 

えー!急に言われると出てこぉへん!

と、ブーブー言いながらもみんな手を動かしていました。

 

「自分で新しくつくってもいいよ!」

そう言われると、みんなアイデアが湧いてくるようでした。

 

 

ちなみに世界のトイレのピクトグラムはこんな感じ↓

 

 

「ピクトグラム」は2020年の東京オリンピックでも話題になりましたね。

実はこれもまた立派なデータサイエンスなんです。

 

トイレ、非常口、色んなスポーツ競技などなど。

その情報をいかにシンプルに、かつ多くの人(たとえ言語が違っても)に伝えるか?

 

それを考えて表現されたもののひとつが「ピクトグラム」なんです。

今回見てきたトイレに関わる色んなデータも、どういう図やグラフで表わしたら伝わりやすいか?を考えて表示されていたはず。

今後の講座では、ここにも注目していけたらいいなと思いました。

 

講座はその後も、色んな動画やデータを見ながら進みました。

https://www.gapminder.org/dollar-street?topic=toilets&media=all&max=58で世界のトイレを見たり、統計学の歴史について触れたりもしました。

 

 

 

小学生も中学生も、みんな興味津々。

感想を聞く限り、自分たちが普段使っているトイレが当たり前ではないことや、データを見比べる面白さが印象に残っているようでした。

 

次回のテーマは「単位」。

湯川さん曰く「生徒にはちょっと退屈やけど大事なこと」だそうです。

 

みんなどんな反応をするんでしょうか?笑

では、また~