速さのイメージ
どうも、学びの森のキノシタです。
今日は小学5~6年生を対象にした<数学ゼミ>をご紹介いたします。
担当しているのは田中先生。
とにかく数学を愛している先生です。※詳しくはHPのスタッフ紹介をご覧ください
今回扱う単元は「速さ・時間・道のり」です。
僕は小学生の頃、この単元があまり得意ではありませんでした。
「A君が●時間●分かけて●km先のB君の家へ・・・」
という文章を読んでもなんかピンとこないというか、そもそもA君に興味がないというか…知らんやん!と思いながら問題に取り組んでいたのを思い出しました。
参加している生徒たちの中にも、幼き頃の僕と同じことを思っているような表情の子も。
そういう気持ちのときってだいたい、”正解かどうか/ちゃんと計算できるか” が自分の中でのものさしになりがちだと思うんです。
でも田中先生は「ちゃんと計算ができてほしいなんて思ってない!」と一蹴。
じゃあ何のためにこの単元を学習するのか?それは「速さのイメージを持つこと」だと田中先生は言います。
時速⇔分速⇔秒速 の変換の問題に取り組んでいるときのことです。
次のようなやりとりがありました。
田中:音の速さは340m/sやな?これ時速にしたらだいたい1200km/時や。
これを「マッハ」って言うんやな。じゃあ光の速さはというと、30万km/時なんやな。
生徒:光はっや―――――――――!!!
田中:いや、遅いんや!!!!!!!
生徒:え―――――――――――!?!?
僕もどういうこと!?となりました。
田中先生が続けます。
田中:太陽の光が地球に届くまでどれくらいかかるか知ってるか?8日やで?
宇宙の端っこのほうの星の光が地球に届くのなんて150億年かかるんやで?遅いと思わへん?
生徒:たしかに!!光おっそ―――――!!!!
キツネにつままれたような話なんですが、なんか妙に納得してしまいました。
でも、こういう感覚に触れること、考え方をすることって面白いし、大事だなと思ったんです。
それは生徒の表情が物語っていました。
なんか”ふつう”じゃないっていうのは伝わるんでしょうね。
田中先生と生徒のやり取りには、他にもこんなものがありました。
こちらは光や宇宙とは違い、もっと身近なことが話題に。
田中:フルマラソンの世界記録は知ってるか?これはだいたい2時間なんや。
だから時速で言うと42÷2=21kmやな?これは学びの森から京都市役所くらいまで行って帰ってこれるくらいの速さなんや。
生徒:え――――!じゃあ消しゴム買って来てって言ったら2時間で買って帰ってこれるってこと?
すごすぎや!!笑
田中:じゃあ逆に100mの世界記録何秒ぐらいや?
生徒:10秒!
田中:ほんなら秒速は?
生徒:10m!
田中:ほんなら分速は600mやな?時速は3600m=36kmやな?
てことは、100m走の選手はだいたいゆっくり走る車と同じくらいなんやな。
生徒:車!笑
田中:でも車はだいたい時速60kmで走ってるな。これは分速で1000m、秒速で約17mなんや。
17m/sということは、1秒たったら車はもう17mも進んでるってことやな?
1秒目を離して運転したら17mも進むんやで?
生徒:・・・。
田中:危険やろ?!危ないなぁって思わへんか?!
速さの計算なんかできなくてもいいねん。でもこういう速さのイメージをちゃんと持ててほしい。
台風4号すごかったやろ?あれは・・・
と、ここに書き起こせないくらいやり取りは続いていくのですが…。
僕が小学生の頃は、「み・は・じ」の図とか、とにかく計算ができるようになるように言われていた気がします。
でも田中先生はそんなんはいい、と。
もっと身近に「速さ」を感じるような経験や、思考の仕方をするように伝えていたのが新鮮でした。
算数って、どこか自分の日常から切り離されたもののように感じてしますときがあると思います。
ドリルや問題集で何度も練習しているだけでは特に。←でもこれも必要!
田中先生のゼミでは、生徒たちが自分の生活とひきつけて、算数を捉えなおすような頭の使い方をしているのかもしれません。
また色んな単元のところに参加したいと思います!
では、また~