一粒一粒
どうも、学びの森のキノシタです。
先日、学びの森ワークショップシリーズ サタデー・パフェの第3弾「ぶどう農園にいるのはだあれ?」が開催されました。
亀岡のひえだの町というところにあるぶどう農園「HANDOVER FARM」さんへ、フリー/ハイスクールと放課後等デイサービスの生徒と一緒に訪れました。
集合場所に向かうと、普段は顔を合わせることのない生徒たちが「よう!」と声をかけあっていました。
サタデー・パフェで知り合い、一緒に色んな経験を積んできた生徒たち。
少しずつヨコのつながりができていることを実感しました。
さて、今回HANDOVER FARMを案内してくださるのはこちらのお二人。
みっさんとたんたんです。
まずはお二人からこの農園の名前の由来を教えてもらいました。
「HANDOVER」とは「引き継ぐ」という意味です。
長年ここでぶどうを育てていた方から、そのぶどうの味に惚れ込んだみっさんとたんたんの手へ、文字通り引き継がれたのがこの農園です。
みっさんもたんたんも、実は農家の方ではないんです。
ではその正体は…?!
次回のワークショップで明らかになりますので、こうご期待。
名前の由来を教えてもらったあと、最近始められたという養蜂を見せてもらいました。
ミツバチを怒らせないように、そーっと近づきます。
箱の下にある穴からハチが出たり入ったり。
脚に花粉をつけて帰ってくるハチもいて、これがハチミツになるのか!と感慨深い気持ちになりました。
耳を澄ますと、箱の中のハチの羽音が聞こえます。
この箱自体が生きているようで、その生命力みたいなものが身体に伝わってきました。
次はお待ちかね、ぶどう畑へ!
ハウスの中をのぞくと、天井にはびっしりと並んだぶどうが!!
一歩ハウスの中に足を踏み入れると、ぷわ~んとぶどうの甘酸っぱい香りが漂っていました。
土の香りやそこに生い茂る草花の香りも鼻腔に飛び込んできます。
こんな光景見たことないし、こんな空間に足踏み入れたことない…!
大げさではなく、本当にそれぐらいの驚きがありました。
HANDOVER FARM最大の特徴は、完全無農薬でぶどうを育てているところ。
そのため、土を本当に大切にしておられます。
色んな草花が生い茂り、カエルなどの小さな生き物もたくさん住んでいます。
そういう草花や生き物が土を育ててくれるんだそうです。
ほとんどの生徒たちはカエルに夢中。
カエルと同じようにぴょんぴょん飛び跳ねながら捕まえていました。
みっさんとたんたんの指導のもと、農作業を手伝わせてもらいました。
病気になっている葉っぱを切り落としたり、割れてしまったりしぼんでしまったぶどうをもぎ取ったり…。
「これダメな葉っぱ!」
「割れてるぶどうあった!」
そんな声が畑のあちこちで聞こえてきました。
今の時期はこの作業をひたすら続けるんだそうです。
みっさんとたんたんは、作業をしながら色々なことを生徒たちに伝えてくれていました。
みんなほぇ~という表情で聞いていて、真剣さが伝わったのかなと思いました。
農作業を手伝わせてもらい、しばし休憩・・・
しようと思ったんですが、ここでビッグサプライズ!!
なんとご近所さんが、たんたんの息子さんをザリガニ釣りに誘いに来たではありませんか!!
僕も後で「やってしまった」と思ったのですが、頭で考えるより先に「ザリガニ釣り行きたい人ー?」と声をかけてしまいました。
当然みんな「行きたい!行くー!」となりました。
ご近所さんとしては想定外。「え、こんないっぱい!?」と困っておりました。
ご近所さんごめんなさい。
でも、みんなめちゃくちゃ楽しそうにしてました。
こうして自然に囲まれた道を歩くのも、生徒にとっては新鮮なことなのかもしれません。
しかも目的はザリガニ釣り。みんな良い表情してました。
さて、ザリガニも見れたし、最後はパーティーです。
みっさんとたんたんが手塩にかけて育てたぶどうと、そのぶどうで作ったジュースをいただきました。
しかも畑の中で。
なんという贅沢な時間!
一粒一粒の味の違いを確かめながらいただきました。
品種によって甘味や酸味が違うことはもちろん、同じ品種でも房の位置によって味が違うから不思議です。
でもどの一粒にも、みっさんとたんたんの想いがぎっしり詰まっているのがわかりました。
ぶどうジュースも、まず見たことない色!そして嗅いだことない匂い!
ホンマの100%ってこんなんなんや!と驚きました。
最高のロケーションと最高のぶどうに、みんな大満足。
ごちそうさまでした!
作業を手伝いながら、みっさんとたんたんはぶどうだけを作っているわけではないんだなぁとしみじみ。
ぶどうを育む土、その土を育む草花や生き物、そういう自然の循環というか、生き物の営みみたいなものの総体を作っているんだと思います。
今回のワークショップでは、ほんの一部ですがその営みに参加できたような気がします。
だからこそ、生徒の表情も本当にいきいきとしていたのかもしれません。
日常の中にあったはずの大切なものに改めて気が付いたワークショップでした。
次回行くときには、農園の風景も大きく変わっているそうです。
どんな風景なのか、そこではどんな営みがおこなわれているのか?
今から楽しみです。
では、また~