フィールドワークの事前学習
こんばんは、学びの森のキノシタです。
今日は来る16日(木)の<東九条フィールドワーク>に向けて事前学習をしました。
このフィールドワークは、先日の浜辺ふうさんとの<出会い場>から始まる
※ブログ:「なんで自分は日本人なんやろう?」
東九条という地域の「人・もの・コト」とのつながりをつくるプロジェクトの一環です。
フィールドワークを案内してくれるのは、村木美都子(むらき みとこ)さんです。
今日の事前学習では、村木さんが東九条という地域で、どんな想いを持ち、どんな活動を続けておられるのかを知ることを目的としました。
教材として使用させてもらったのは、村木さんの活動を取材したNHKの番組です。
シリーズ『目撃!にっぽん』の「番地のなかった街で 在日コリアン2世”最後の語り”」という回の映像を生徒と一緒に見ました。
戦後、様々な理由から、鴨川と高瀬川の間の堤防で生活をせざるを得ない人たちがいました。
電気も水道も通っていない、劣悪な環境の中で、バラック(廃材や木材などで建てた簡易な造りの家)を建ててなんとか生き延びてきた人たち。
その中には、日本人だけでなく韓国朝鮮にルーツを持つ方も多くいました。
村木さんは学生のとき、地域の勉強会で始めてその生活を目の当たりにしたそうです。
そして、その(したたかさも含めた)力強い生き様に心を打たれたと言います。
ここで暮らしてきた人の、個別の物語を何とか後世に残さなければならないー。
歴史を背負って生きてきた人たちの物語を、語り継がなければならないー。
映像では、そんな想いを持って、ご高齢となった在日コリアンの方々の生活のサポートをしながら、
一人ひとりの話を記録・発信し続けている姿が描かれていました。
映像にあった、村木さんが話を聞いた在日コリアン2世の方々や、そのご家族の物語については
誤解を招くといけないので、僕が文章にすることは避けておきます。
ここでは、生徒に映像を見た感想や、村木さんへの質問を振り返ってことばにしてもらったので、
どんな風にこの映像を受け取ったのかを、感想をもとにご紹介したいと思います。
【Aくん】
動画を見て在日コリアンの人たちが差別など苦しい思いをされてきて、その人たちの語っていた人生を聞いて
「○○人だから」という考えはひどいと思ったり、改めて差別などはなくしていかないとダメだと思った。
他にもいろいろ思ったり考えたりすることもあったので、もっと知りたいと思った。
【Bくん】
ぼくは動画を見て、まださべつがあるんだとしりました。
東九条では、水がとおらない時があったなどをきいておどろきました。
こういうさべつてきなことは、なくなってほしいと思いました。
【Cさん】
村木さんへの質問
・いろんな人たちの話を聞いて、”自分”はどうありたいと思いましたか?
・”差別”は無くせると思いますか?また、どうすれば無くなると思いますか?
・在日コリアンの人たちに、どんなふうに生きていってほしいと感じましたか?座右の銘をもってもらうなら
どんな言葉をもってほしい、ふさわしいと思いますか?
【Dくん】
今まで差別などについてあまり考えたことがなく、話を聞いてもあまり理解していませんでした。
今回初めて映像で、ヘイトスピーチなどの差別しているところや、その思いを語っていた人たちをみて、
もっと多くの人に知ってほしいと思いました。
また、これらのことを伝えようとしている村木さんの考えに共感できるところがありました。
【Eくん】
在日コリアン2世の方の言葉は、生で経験しないと分からない情報や気持ちがあって興味深かったです。
なので、直接話せたらいいなと思いました。
特に心に残ったのは、行政を説得して水道を通してもらったという話で、
水道を通すのは大がかりだから、行政は動きもしないと思っていたのに、
それを通させたということで、相当頑張ったんだろうなと感動しました。
と同時に、人間として必要不可欠で当たり前に通っている水道が
通されていなかったことを聞き、とても驚きました。
僕には、みんな「ここからスタート」という感じのことばに受け取れました。
”差別”ってなんだろう?
自分たちの権利のために闘うってどういうこと?
もっともっと、僕自身も知らなければいけないことが多いし、それをもとに考えたいと思いました。
今度のフィールドワークで、村木さんが生徒の質問や感想に、どんな応答をしてくれるのか?
僕自身もしっかり受け止めたいと思います。
では、また~