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日誌

若者たちはどこへ帰っていくんだろう?

知誠館にやってきた若者たちは、そのほとんどが夢も希望もない状態でやってきます。
おなかが痛くなったり、朝起きられなかったり、やる気が全くでない状態であったり・・・
あるいは、摂食障害、うつ、強迫神経症、そこにはそんなラベルがついているかも知れません。
私たちが最初に出会うのは、そんな自分の人生の物語がもうこれ以上描けなくなった若者たちです。


でもそこから彼らは、変わり始めます。
自信を身につけ、仲間を得て、自分自身がこれからどう生きていきたいかという希望を見い出して、彼らはここから巣立っていくのです。
彼らなりのたくましさを、手に入れるわけです。
でも、そこに新たな問いが浮かびます。
彼らはいったいどこへ帰っていくのでしょうか?
不登校の子どもたちは、学校という社会との関係の中で問題を抱えます。
ひきこもりの若者たちは、社会との関係の中で問題を抱えます。
問題を抱えているのは、子どもたちでしょうか?
若者たちなんでしょうか?
あるいは学校?
あるいは社会・・・?
そんな風に考えると、問題の所在がよくわかりません。
せっかく生まれ変わるかのように変容を遂げた若者たちが、問題を抱えたままの社会に帰っていくことを私は望みません。
彼らには、彼らないの方法で、この社会の中に自分たちが活き活きと生きていける場があることを知ってほしいし、
それを自分たちの手で見出すことが可能であることを知ってほしいのです。
若者たちは、どこへ帰っていくんだろう?
だからこの問いはとても大事な問いなのです。
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