MENU

日誌

人間関係

知誠館に来る子どもたちは、ここに来るまでの中で、人との関係で悩みを持ったこと、あるいは人との関係がその子に大きく影響していることが多いです。
もちろん、私自身人との関係で悩みを持ったことも…というか現在進行形で悩んでいます。
人間関係で悩んだことのない人なんていない、はず。
実は知誠館でも、人間関係の悩みというのは生まれます。


20160511_120142.JPG
知誠館は、ここに来る子どもたちにとって、少しずつ安心できる環境になっていきます。
ですがそれは、同時に知誠館での人間関係が構築されていくことを意味しています。
人間関係が構築されれば、それを失いたくない、円満なものにしたい、嫌われたくない、優しくされたい、優しくしたい…… いろんな思いが生まれてきますよね。それと同時に、悩みも生まれる。
だから知誠館という場は、みんなにとって安心していられる環境である(でありたい)のはもちろんなのですが、それと同時に、新たな悩みが生まれる場所でもあるし、そうであってほしいと思います。
悩んでいたらそれに気づき、声をかけてフォローするスタッフ陣もいます。この安心できる環境で、悩めることを悩めるうちに悩んでほしいなぁと思ったり。悩むこと、その渦中にいることは、もちろんとてつもなくしんどいですが。
20160511_115925.JPG
最近読んだ本に、「悔しさは森へ行って集めてくるわけにはいかない。誰かがくれる大切なプレゼントだ」という言葉が出てきて、ほうっ、と唸りました。
生きる、生命を維持するために必要な食べ物とか、水とか、睡眠とか、っていうものは、いざとなれば、自分一人で賄おうと思えばどうにかできるものだと思うんですが(森へ行って集めてくる、じゃないですが)、「悔しい」という感情、ひいては感情と呼ばれる私の心、頭にうずまくぐるぐるしたものは、多分他者がいるからこそ生まれるものなんだろうなと思うと、人間って難しくて面白いなと。
…なんだかとりとめのない話をしてしまいましたが、知誠館は、ここに来れば悩みが何もかもなくなるような場所ではなく、いろんな「感情」が新しく生まれるところでもある、ということをお話ししたかったのでした。