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日誌

昭和の母でいきます!

保護者面談が終わりました。
その中で、一人のお母さんがこうおっしゃっていました。
「私はどこまでも、昭和の母を貫き通そうと思うんです・・・」


小学生のお子さんを持つそのお母さんは、子どもたちにゲーム機を与えておられません。
話しでは、ゲーム機を持っていないのは、クラスに二人だそうです。
「持ってないと仲間に入れない」と、その子は訴えるそうですが、お母さんは頑として譲りません。
「これは、我が家の方針ですから・・・」
そう子どもに返されているようでした。
でも、内心揺らぎはあるようです。
これでいいのか、どこかで妥協する必要があるんじゃないかと。
ゲームや携帯、それを子どもにどう与えるか?
これは、確かに切実な問いなのかもしれません。
これらは、子どもたちをいとも簡単に消費の世界へと巻き込んでいきます。
消費の世界は、個々の文化を喪失させる可能性を持っています。
ゲームや携帯が、子どもたちの生活を支配してしまうのです。
そこには家族の文化や社会の文化の危機があるように感じます。
我が家の子どもたちには、ゲーム機や携帯に対してかなりの規制がかけられていました。
ゲーム機は与えなかったように思うし、携帯もスマートフォンはダメ、おまけにインターネットも使用の制限がかけられていたように思います。
だから、子どもたちは十分に不自由な生活を送っていたはずです。
でもその一方で、彼女たちにはいつも本物の世界を見せてきました。
美術館や展覧会、音楽会、伝統的な世界にも積極的に触れさせました。
また、必要を感じれば海外もためらうことなく連れて行きました。
そして、ゲームや携帯の世界が、何も世界のすべてではないことを示してきたように思います。
先程のお母さんは、「私は昭和の母でいきます」と言われました。
昭和の母は、自分の家の文化を作り、育てていったように思います。
強力な消費化のうねりの中で、子どもたちが自分の意志を育てるには、そんな昭和の母の存在が必要なのかも知れませんね。
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