おおきなかぶ
学びの森での学習は、生徒一人ひとりに合わせて何をどうやって、どんなふうに学ぶかを決めていきます。
ある小学生の生徒は、ローマ字を学習したあと、
覚えたローマ字を使ってパソコンで文章を打っていきました。それが、こちら。
昔話、「おおきなかぶ」。
A4コピー用紙数枚にわたる長作ですが、全てその子が打ったものです。
こうして完成したローマ字うちの「おおきなかぶ」に、絵をつけて絵本を作ることになりました。
こちらの絵が、その挿絵です。
空のグラデーションと、砂の感触が伝わってきそうな色味、
おじいさんの着ている服の細かな描写に、思わず「すご!」と叫んでしまいました。
ただローマ字表を丸暗記してつづるだけの学習より、楽しそうに学んでいるように思います。
「パソコンで打つ」という実生活でのローマ字との付き合い方に沿った学び方、そして、それをもとにした絵本の創作。
型通りの学び方ではありませんが、こういった学び方は、楽しさを得るだけでなく、
学習をほかのひとと同じでない、より「個人的」な経験にしてくれるものだと思います。
そして学習が「私だけ」の個人的経験になればなるほど、その子の中に残りやすいのでは、とも。
友だちが発明した覚え方で覚えた言葉や好きなマンガに出てきた言葉って、
大人になってもやけに鮮明に記憶に残っていたりしませんか?
そういった「私」にしかない学びの経験を、これからもつくっていければと思います。
田中