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日誌

液体?固体?

どうも、学びの森のキノシタです。

先日、生徒との実験Part2をおこないました。

 

Aくんが実験してみたかったのは「ダイラタンシー現象」。

戦隊シリーズのロボットみたいな名前の現象を、皆さんはご存知でしたでしょうか?

 

僕は初耳だったので、最初は何をふざけたことを…と思っていたのですが、Aくんの説明を聞いているうちに興味が湧いてきました。

用意するのは、なんと片栗粉と水だけ!

名前にそぐわず簡単な材料でできるみたいです。

 

 

それを一定の分量で混ぜ合わせることで、この現象が起こるんだそう。

「面白そうなのはわかったけど、なぜそんな現象が起こるの?」という問いには「ぐぬぬ…」となるAくん。

 

原理・原則の部分までちゃんと理解できないと、とりあえずやっただけで終わってしまうような気がしたので、そこも考えてもらいました。

Aくんの仮説では、片栗粉はとても小さい粒でできていること、その粒の間に水が入り込むことで緩やかな結合ができること、そこに衝撃を加えると結合がキュッとなること、の3点がカギになるとのことでした。

 

ホンマかよ!?と言いつつ、その仮説を検証するための準備を進めました。

材料には何が必要?それは誰が入手して、いつ持ってくるの?学びの森にあるもので代用できる?

保存するの?それとも捨てるの?保存するなら何が必要?

 

などなど、細かいところまで一緒に確認します。

今までは、こういう準備のところに関わってこなかったなぁと思いながら、改めて準備を一緒にすることの大切さを感じていました。

 

こうした準備のプロセスを踏むことで、お互いに役割や責任が生じたり、そもそもなぜやるのかという目的や実験の全体像(仕上がりイメージ)を共有したりすることになるんだと思うんです。

ここさえ共有できていれば、その後も真剣に遊べるというか、お互いに意味のある経験をつくれるんじゃないかなぁと。

逆にここを丁寧にできないと、その時間は楽しいかもしれないけれど、お互い何も残らず時間を消費しただけになったり、どちらかだけが一生懸命みたいな状況になってしまうのかもしれないなぁと思いました。

学びの森の<探究>の時間に関わる大事なことだと思うので、この辺りは今後もじっくり考え続けたいですね。

 

さてさて、実験はというと、簡単に見えて作業は難航。

片栗粉と水の分量を微調整するのにてこずりました。

 

 

ゆっくり混ぜながら、ダイラタンシーっぽい現象を起こそうと試行錯誤すること数十分。

―お?!なんかそれっぽくなってきた気がする!!

 

なんとも言えないこの感じ!

これはまさしくダイラタンシー!?

 

 

―ゆっくりかき混ぜると・・・やわらか~い

―でも速くかき混ぜると・・・かたいっていうか重い!!

 

―表面をなでると・・・おー!サラサーラ!

―表面を殴ると・・・痛っ!硬っ!!

 

―ゆっくり持ち上げると・・・液体みたいにとろ~り

―これをぎゅっと握ると・・・固まった固まった!!

 

ふたりして、これがダイラタンシーかぁ~としみじみかみしめました。

その後はAくんから出てきた”?”を検証していきます。

 

ぎゅっと握ったものを大量の水の中に入れるとどうなるのか?

お湯ではダイラタンシーにならないのか?

などなど、やってみては観察し、なぜそうなるのか考察を続けました。

 

 

 

休憩時間になると、何をするのか気になっていた他の生徒たちも群がってきました。

これはこんな現象で、こうしたらこうなってん!と発見したことを伝えるAくんの楽しそうな表情は印象的でした。

 

 

また、触った子たちが色んな仮説や考察を語り始めて、議論の種が生まれたのも面白かったです。

まぁそのせいで庭が片栗粉まみれになったんですが…。

 

最後に今日の実験の結果をPCに記録して、汚れた庭や器具も掃除して、ダイラタンシーをタッパーに入れて冷凍保存。

これにて実験終了です!

 

今回の経験を通して、実験の中身で感じたこと・考えたこともそうですが、準備から片付けまで手を抜かずできたことに意味があったと僕は思います。

Aくん的にはどうなんだろう?

 

今度振り返って話し合ってみます。

では、また~