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日誌

1学期を振り返って

どうも、学びの森のキノシタです。

生徒がいないこの2日間は、スタッフで1学期の振り返りを兼ねたミーティングをしました。

 

生徒一人ひとり、生徒同士やスタッフとの関係性、学びの森という場にとってどんな1学期だったのか?

ああでもない、こうでもないと、何か正解があるわけではありませんが、色んな問いと仮説を立てながら話し合いが進みました。

 

僕が思うこの1学期の意味は次の2点。

ひとつは「”学び合う”経験を積んだ」ということ、もうひとつは「何かを形にするところまでやりきる経験を積んだ」ということです。

 

前者については、桜井先生のゼミにスタッフが継続して参加していることが大きいと思います。

しかも、生徒を観察しようというスタンスではなく、文字通り「参加者」としてその場で一緒に考え続けてきました。

 

小学3~4年生とは、新見南吉の『手袋を買いに』のひとつの言葉・場面をめぐって読み込み、

中学1~2年生は、その場(ゼミ)自体をどうやってつくるかを一緒に考え、

 

小学5~6年生は「友達ってどういう存在?」「隠された”悪”って何だ?」という哲学的な問いを考えて考えて、最後は谷川俊太郎の『生きる』という詞を自分たちもつくることにチャレンジし、

中3~高校生は、芥川龍之介の『羅生門』を読み、下人の行動から「善/悪」や「人間」について考え、話し合うことを積み重ねました。

 

このいずれの場にもスタッフが継続的に参加し、共に考え、振り返ってきた経験ってすごく大事な気がします。

なぜならその場では「教える/教えられる」という関係ではなく、「学び合う」関係ができていたと思うからです。

 

そしてスタッフみんな、ゼミから帰ってきたときに表情がとても楽しそうなんです!!

実際僕も参加し続けていた時期があるのですが、とにかく楽しいんですよね~

 

参加すれば参加するほど、自分が考えたことを伝えたくなるし、他の人が考えたことを聴きたくなる。

それを繰り返していくことで”学び合う”関係ができていく。

 

この関係って僕はすごく楽というか居心地の良い関係だと思っています。

どちらも正解を持っていないから肩ひじ張る必要もないし、どちらも正解を持っていないから「こうかも!」と気づきがあったことを素直に喜び合える。

 

自分が考えたことが、その場で他の人が考えるきっかけになって貢献できたり、逆に他の人の新しい視点に感謝できる。

なんかワクワクしませんか?笑

 

この関係のワクワク感、学び合うことの楽しさを、みんなで経験できたことは次につながるなぁと思います。

今後スタッフ間で、その時その瞬間生徒たちは何を学んだのか?という振り返りの議論も重ねていく予定です。

 

そこに生徒も参加して平場で話し合えたら、この経験自体をテーマに学び合えたら、きっと面白いだろうなぁと思います。

2学期からも”学び合う”経験をたくさんつくっていけたらいいですね。

 

さて、もうひとつの「何かを形にするところまでやりきる経験を積んだ」のは、アリスさんや竹内さん、柳さんたちに協力してもらった教養講座の取り組みが大きいですね。

というか、この1学期は僕の中で「何かを形にするところまでやりきる」ことを強く意識していたので、桜井先生のゼミやその他色々な活動でもその経験を積むことができたように思います。

 

何かを形にするところまでやるというのは、自分が経験したことを統合し、振り返り、意味を構築/再構築するプロセスそのものだと思うんです。

それが無いと、ただやりっぱなしとか、何が残ったかわからないままなんとなく楽しかったなぁで終わっちゃうというか、経験が消費されていく気がします。

 

音楽祭での生徒たちの様子からは、そういう経験の消費は感じられなかった。

演奏という形で、それまでの練習で経験してきた色々なことを統合し、振り返ってことばにし、何かしらの意味をつくったはずだと思うんです。

 

それがあるから、また新しい意味をつくっていける。

1学期はその第一歩が踏み出せたような気がします。

 

しかし一方で、こうした経験を「教科の学習」でつくれていないのは課題だなと思いました。

「何かを形にするところまでやる=自分が経験したことを統合し、振り返り、意味を構築/再構築するプロセス」って「教科の学習」でもできるし大切なはずでは…?

 

ただただ教科書や問題集に書かれてあることを読む、動画を見る、問題集の穴を埋めることで時間が過ぎるのを待っている、みたいな状況って少なからずあると思います。

そこへのアプローチをもっと考えていく必要があったなぁと反省しました。

 

なんかこう、教科の学習もやりっぱなしじゃなくて、何かの形にするところまでやりきれれば、一人ひとりがそれぞれの「学び方」を身に付けることができると思うんですよね。

う~ん、というか、一人ひとりが自分の「学び方」を身に付けるためにも、何かの形にするところまでやりきるという経験が必要なのかも。

うん、きっとそう。

 

じゃあそうするための条件は何か?というところを、2学期以降具体化していけたらいいのかな…と。

最後少しごちゃごちゃとしましたが、今のところ僕自身の振り返りはこんな感じです。

 

よーし、2学期も面白いことするぞー!

生徒、保護者、スタッフ、外部講師の皆さん、よろしくお願いいたします。

では、また~