まず、やってみる
どうも、学びの森のキノシタです。
今日は<データサイエンス>の第二回目の様子をお伝えいたします。
今回のテーマは「リッターとガロン」。
データを集めたり、分析したりする際に大切な「単位」の話です。
と、その前に。
まずは手を動かしてみよう!ということで、みんなには「好きな飲み物」というテーマでグラフを描いてもらいました。
横軸は1月~12月、縦軸は飲む量(リットル)として、年間の消費量を表現することにチャレンジ。
僕はアクエリアス好き!麦茶が一番飲むかも!とワイワイ言いながら、それをどんなグラフにしたら表現できるか考えていました。
ある生徒は棒グラフに、またある生徒は折れ線グラフに、円グラフで飲み物の内訳を示そうとしていた生徒もいました。
グラフが出来上がったら、みんなでそれを眺めて、気が付いたことを話し合います。
みんな7月とか8月によく飲むね、と季節によって差があることに気が付いたり。
お茶より水が飲まれてるね、と種類の偏りに気が付いたり。
データにして、それを表現し、みんなで分析してみる。
自分のことがデータになっているので、みんな楽しんで取り組むことがでいていたように思います。
さぁ、次はいよいよ「単位」のお話。
どんなデータを集める/分析するにしても、その単位を揃えることは不可欠です。
鉛筆ひとつでも、「1本」にするのか「1g」にするのか「1㎝」にするのかで、データは変わってきます。
でも、そもそもこれらの単位って、いつどこでだれが決めたんでしょう?
今回はそういった単位の歴史を、「m」にしぼって見ていきました。
動画を見ながら、みんな「えー!」「ほ~う…」と驚いたり納得したり。
僕もまさかフランス革命が起源だなんて全く知りませんでした。身分によらず平等な社会を目指すうえで、みんなが同じ単位を使うって大切なことだったんですね。
この講座では、こうした歴史の部分も大切にしています。
なぜそういった考え方/モノが生まれたのか?どんな人がその課題に取り組んだのか?という背景を知ることで、じゃあ今の僕たちは…を考えるきっかけにしたいと考えているからです。
色々な社会課題に対して、自分なりのアイデアを組み込みながら、みんなが今よりちょっぴり豊かに生活できるものをつくる。
エンジニアの湯川さんらしいこだわりが垣間見えた瞬間でした。
お次はみんな大好き(になりつつある)Gapminder!
この前はこれを使って世界のトイレ事情を調べましたが、今回は「人口」や「CO2の排出量」、「石油の消費量」を調べてみることに。
ちなみに「人口」はこんな感じ↓
中国とインドすごー!
日本って小さいのに人口多いな!
オーストラリアとかロシアは少ないほうなんや!
色々な気づきが出てきます。
そのそれぞれに湯川さんは「なぜ?」と問いかけます。
お金があるところは人口が多いんちゃう?
それか病院とかがたくさんあるとか?
食べ物がたくさん取れるんかもしれんで?
人が住みやすい土地が少ないと、人口も少ないんちゃう?ロシアってめっちゃ寒いし。
気づいたことを共有するだけでなく、もう一歩踏み込んで考える。
これを「当たり前」にすることで、考える力は育まれるのかもしれません。
その後はみんなそれぞれのペアで、興味のあることについて調べていました。
この世代はこういうのに慣れるのが速い…。みんなで「こんなんあったで!」と情報を共有しながら、Gapminderを使いこなしていました。
最後は実際にみんなでデータを集めてグラフにし、分析することに挑戦しました。
使用するのは冬の果物の代表格、みかん。
みかんの「重さ」と「大きさ(直径)」を調べて、それをExcelのシートに入力していくと…。
こんなグラフが完成!
それをみんなでじーっくり眺めながら、データを分析していきます。
ペアで話し合ったり、グラフとにらめっこしたり、生徒によって反応はそれぞれでしたが、みんな真剣に考えていました。
大きさ(直径)が大きいと、重さも重くなる傾向がある
でも大きくても重くないのもある
そもそも大きさを「直径」だけで決めるのはおかしい、「高さ」も測る必要がありそう
重さは1位と最下位の差が大きいけど、大きさはあんまり変わらない
平均との差が大きいのは重さ
僕のは大きいけど軽いから、きっと中身スカスカ
などなど、みんな考えたことを発表していました。
それぞれの意見が出そろったところで種明かしです。
実はこのみかん、種類は同じですが、サイズがMとLの2種類が用意されていました。
調べてみると、みかんのは大きさ(直径)でMかLか決められているんだそう。
最初からごちゃまぜにしてデータを取ったので、どれがMでどれがLかはもうわからなくなっていたのですが…。
でももしかしたら、L表記なのにMサイズのみかんが入っているかもしれない!?
Lサイズだけど重さはMと同じかもしれない!?
みたいな疑惑も出てくるかもしれません。
この感覚が、データをもとに考える力につながると湯川さんは言います。
最後に、みんなが今日みかんでやったことと、同じようなことをしたポワンカレのエピソードを調べました。
その名も「ポアンカレとパン屋のウソ」です。
調べてみたけど、書いてあることは本格的な統計学の内容なので、結構難しいですよね。
でも生徒たちはみんな「あ~、なるほど、なんかわかる!」と言ったので驚きました。
この「なんかわかる」っていうのが良いなと思いました。
きっとポアンカレの話で出てくる「正規分布」とかいう言葉はわからなくてもよくて、ポアンカレがデータを集めてグラフにしたこと、そのグラフから読み取れることが、今日自分たちがみかんを通して経験したこととつながっていればいいんだと思うんです。
自分が体験したことが、何か大事なこととつながっているという感覚。
これが「なんかわかる」という言葉で表れているのかもしれないなと思いました。
何事もまず、やってみる。
今回のデータサイエンスの講座で、改めて大事なことだなと思いました。
さて、次回のテーマは「南極の氷、北極の氷」です。
来る大寒波にぴったりのテーマですね…笑
どんな講座になるのか楽しみです。
では、また~