テストをして見えてくるもの
どうも、学びの森のキノシタです。
嫌になるぐらい蒸し暑いですね…。
この前急に「そうや!テストやろ!」と思い立ち、小学生に実力テストを実施しました。
小学生にとってはいい迷惑だったかもしれませんが、新しい発見がたくさんありました。
そもそもなんでテストをしようと思ったのか?
ひとつは、今まで学習してきたことがどれくらい積みあがっているのか、またそれを「テスト」という状況で出すことができるのか興味があったからです。
「テスト」ってある意味特殊な状況だと思うんです。
決められた時間の中で、それだけ高いパフォーマンスが出せるか?しかも一人でしゃべらずじっとして…。
こういう状況って学びの森ではあんまりないんです。
各自のペースで学習を進めるし、誰かと話し合いながら答えを出してもいいし、誰かの迷惑にならない程度にはじっとしてなくてもいいし。
なので、あえて「テスト」のような状況に置かれたときに生徒たちがどんな反応をするのか見てみたかったんです。
もうひとつは、このテストの結果を一人ひとりがどのように捉え、その後のことを考えるのか知りたかったからです。
点数が高かろうが低かろうが、それは別に大したことではないと思っています。
ただ、テストに取り組んだことを自分の中でどう意味づけるのかを話し合えたらいいなと思っていました。
こうしたことも生徒に伝え、(しぶしぶ)OKをもらった上で実施しました。
テストは国語と算数の2科目のみ。学習塾や私立学校向けに教材やテストを作成しているところの過去問を使用。
生徒によっては、学習進度が間に合っていない子もいたので、そこは生徒一人ひとりに合わせながらどのテストに取り組んでもらうかを考えました。
テスト当日、生徒の表情を見ていると、あきらかに顔が曇っている子もいれば、どれくらいできるかなー!と少しワクワクしている子も。
普段とは違う座席配置にして、ちょっと試験官っぽいしゃべり方を意識すると、なんとなくピリッとするかなーと思いきや…。
僕がそもそもなめられているので、いつも通りの雰囲気でテスト開始!
その直後…
シーン…。
え、何これ?静かすぎない?
いつものワイワイガヤガヤどんちゃん騒ぎはどこへやら!
もう毎日テストしようかな、と思うほどみんな集中して取り組んでいました。
いつも5分と席に座っていられない生徒が、何十分もじっと座って考えている…。
これってどういうことなのか、頭を抱えました。
みんな「学校的な何か」に対して、敏感にそれをキャッチし、むずむずしてきた経験があるはずでは?
でもそれを「押し付けられてる」感じが無かったら大丈夫なのか?
などなど、生徒の様子を見ながら、ああでもないこうでもないと色々考えておりました。
テスト中、問題に対する質問も結構出てきました。
「これって、どこに答えを書いたらいいの?」
テストに慣れていないということは、解答用紙にももちろん慣れていないということ。
僕には見知った形式の用紙も、初めてだとよくわからない四角が並んだ紙に見えるのかもしれません。
僕が残り時間を伝えると、「えー!もうあと5分?!時計見てなかった!」と焦りだす子も。
学校に通う子と比べると、こういうところの「慣れ」が圧倒的に少ないのかもしれないなぁと思いました。
とはいえ無事みんなテスト終了。
予想外にと言ったら失礼ですが、真剣にテストに取り組んでいました。
採点をしていると、一人ひとりの顔が思い浮かんで面白かったです。
これ焦って解いたんやろなぁとか、いつもよりキレイな字で書いてるとか、その子の取り組み方が伝わってきました。
そして後日、そのテストを一緒に見ながら、一人ひとりに話を聞きました。
「算数は結構自信あったから、こんくらいの点数かなって思ってた」
「国語は自信なかったけど、意外にとれてる!」
「漢字思い出してたら読む時間が無かってん!文章の割に時間短すぎやろ!」
「算数のここはまだ習ってないから、まったくわからんかった…」
「計算は得意やねんけど、図形はずっと苦手やわ」
「テストってなったら頭が真っ白になってん!今見たら解き方思い出せるもん!」
「やっぱり漢字やな…読めるんやけど、書けへんねんなぁ」
などなど、テストをしている最中に思ったことを話してくれたり、テストの結果を冷静に分析していました。
僕はあれこれコメントしてないのに、みんなちゃんと考えるなぁと純粋にすごいと思いました。
また、今後どうするかについても
「漢字の時間増やそうかな」
「図形の問題出てきたらめっちゃ練習しとかないと」
「次は時間内にできるようにしたいな、どうしたらできるかな」
「別にテストみたいな状況じゃなかったらできると思うし、今まで通りのペースでやる」
「まだ習ってないところはやくやりたいな」
みたいに、それぞれが考えていたので、これまたすごいなと思いました。
今後どうするか、誰も正解を持っているわけではありません。
もちろん、僕や他のスタッフも。
日々生徒と関わる中で「これが大事やと思う」ことが、揺らぐことも珍しくありません。
それはきっと、生徒も同じなのかもしれません。
ただひとつ大切にしたいと思ったのは、そういうことも生徒たちは自分で考えている/考えられるということです。
思いつきのようで少し意図的にやってみた実力テストから、まだまだ学ぶことがありそうです。
ゆっくり考えようっと。
では、また~