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日誌

自分勝手と自由の違い

どうも、学びの森のキノシタです。

今週も<音>の講座がありましたので、その様子をお伝えしたいと思います。

 

今回はコミュニティセンターでの実施となりました。

やはり教室とは違って、雰囲気が出ますねぇ。

 

 

最初に、竹内さんからこの講座の最終目標が伝えられました。

”楽譜のない演奏会をしたいと思います”

 

学校の音楽の授業だと、何かを演奏するってなったら当然楽譜の練習をしますよね。

でもこの講座では、そういった練習をするのではありません。

 

じゃあ何を練習するのか?

それは、他の人の音をしっかり聞いて自分の音をそっと乗せていくこと。

 

どんなテンポで、どんな大きさで、どんな音が出てる?

自分はそこにどうやって入っていこう?

音を出したいけど出せてない人はいないかな?

みんなが心地良いと感じるのはどんな音?

 

こうしたことを考えながら/身体で感じながら演奏することをこれから練習していくようです。

生徒の中にはその説明を聞いて、なんとなくわかったような顔をしている子もいました。

 

今回使う楽器はひとつだけ。

あれこれ換えることができない分、楽器選びはいつになく真剣でした。

 

 

さて、練習の前にまずはウォーミングアップ!

最初の講座でおこなった「音での自己紹介」をしました。

 

たくさん話したい人はたくさん音を出す。

そんなに話したくない人はあんまり音は出さない。

 

竹内さんがぐるっと一周しているのを見ていると、なんだか本当に会話をしているように見えてくるのが不思議です。

 

次はグループ演奏です。

2回目だからということもあってか、グループごとに「演奏」っぽくなっていました!

 

 

 

 

 

 

グループ演奏は2回繰り返したんですが、そのとき自然と音が重なり合う瞬間がありました。

最初は探り探りなんですが、音を出し合っているうちに「あ、この感じでいくのね?」的なやりとりがあり、そこから音がつくられていく感じです。

 

あ、これを練習するのかー!

言葉ではなかなか理解できなかったことも、体験したら理解できたように思います。

 

最後に新しく「全体演奏」に挑戦。

竹内さんが「テンポ」をつけて、それに合わせて一人ひとりが音を出していくと・・・

 

もう演奏みたいになってるー!!

同じタイミングでみんなが一斉に音を出すと、こんな感じになるのかと驚かされました。

 

生徒にとっても、この衝撃は大きかったようです。

感想には

 

・テンポがあるだけで全然今までと違う演奏になった

・みんなで音を出すのが楽しかった

・みんなで音を出すと一体感があった

 

など、ほんのちょっとだけのことなんですが ”なんかすごいことできた感” を感じている生徒が多数いたようです。

 

でも、この「テンポ」ってやつもなかなか曲者。

一度味わうと病みつきになってしまうというか、自分の中で良い/悪いのものさしができてしまうのも否めません(僕だけかもしれませんが)。

テンポに合っているか合っていないか、それだけで良い/悪いは決まらないということも、どこかで持っておかないといけないなぁと思いました。

 

ただこれが結構難しい…。

テンポに合わせたほうが心地よい人もいれば、テンポをぶっ壊しているときが心地よい人もいる。

言い換えれば、自分が出したい音だけを出しても、周りが心地よいとは限らないということです。

 

これはまさに、学びの森の、いや学びの森の外でも日々起こっていることだと思います。

 

自分の自由を手にしようとすることで誰かの自由を奪っているなら、それは本当の「自由」なんだろうか?

 

そんな問いを反芻する瞬間がたくさんあって、今日の講座はその問いにつながるものだったと思います。

 

音であっても、言葉であっても、他者とのコミュニケーションや協働の際に必要なことは、お互いの「自由」を承認することだと思います。

自分勝手と自由は違う。

 

この講座を通して、お互いの「自由」を承認することができるということの大切さを学ぶことができるといいなと思います。

そしてそれをもとに、学びの森という場やそこでの人とのつながりもつくられていったらいいなとも思います。

 

では、また~