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日誌

体験を消費しないために

ご無沙汰しております、学びの森のキノシタです。

最近は3学期の保護者面談に向けて、また学期ごとの学校連携に向けての準備でバタバタしております。

 

その準備というのは、一人ひとりの生徒が今学期に学習した内容を「学習成果物」としてまとめるというもの。

保護者の方や学校の先生に対して、生徒の学習状況をお伝えするとともに、今後のことを一緒に考えるための材料になればと思いながら準備をしています。

 

具体的には、

 

①生徒の学習したプリントの一部や、確認テスト、学力模試の結果など

②生徒が月に一度チェックする、それぞれの教科の学習進度表(テキストの目次の部分を活用しています)

③小・中学校の学習指導要領に基づいた、各学年で学習する内容一覧(数・英・理・社のみ)に生徒の学習進度を照合したもの(スタッフがチェックします)

④<運動>や<教養講座>など、学びの森での活動の中で体育や美術に関係する内容の一覧表(今回からまとめてみました)

⑤スタッフによる、生徒の「学習面・生活面・他者とのコミュニケーション面」に対する気づきやコメント(「学習レポート」といいます)

 

以上5点を「学習成果物」としてまとめています。

 

本当はここに、「生徒自身の今学期の振り返り」と「学習した内容に対する生徒自身の理解度チェックシート(CanDoListといいます)」も付け加えたいのですが、まだ実現には至っておりません。

今は僕がこれらをすべてまとめていますが、ゆくゆくは生徒たちが自分でまとめられるようになったらいいなと思っています。

 

自分のしてきたことを他者に伝わる形でまとめて提出する。

そしてその内容も自分で決める。

そんなことができたら、説得力があると思うんです。

 

さて、僕としては先述したように、生徒が学びの森でどんな風に過ごしているのかについて、主に学習面に焦点を当てて保護者の方や学校の先生との対話のきっかけを作れたらいいなと思っています。

また、毎日限られた時間しか関わることができませんが、一人ひとりの生徒が「しっかりやってるな、すごいな」というのを伝えたいとも思っています。

 

実際、ファイルに閉じられてるプリントの量やその筆跡などを見ると、なんか頑張ってるなぁというのが伝わってきます。

でもまとめる作業をしていて、ひとつ気になったこともありました。

 

それは、プリント類の整理整頓ができていないということ。

順番がバラバラなのは序の口で、プリントが破れていたり、したはずのプリントがごっそりなくなっているなんてこともありました。

 

これって、どういうことなんやろう?

 

整理整頓ができたほうが良い(というか、整理整頓しなさい!)というのは、僕も昔から親に口酸っぱく言われてきました。

でもその理由について説明された記憶ってあんまりない気がします。

 

まぁそれでも僕の場合は、いつしか整理整頓するのが当たり前になっていました。

その結果、今回生徒のファイルを見て違和感を感じたんだと思います。

 

ここ数日、その違和感の正体について考え、ひとつのキーワードが頭に浮かんできました。

それは「消費」という言葉です。

 

学びの森では、テキストをコピーしてプリントで学習スタイルが主流です。

一緒に時間割を考えて、学習のペースや目標について話し合い、それに取り組むわけです。

 

そのプリントをファイルにきれいに閉じ、整理整頓することができていないということは、自分が学習したことを「消費」している感じがするんです。

せっかく頑張ってやったことも、自分で「頑張ってやったな」と思えないまま、垂れ流しになっているような感じ。

 

それはすごくもったいない気がしました。

ファイルを見返したら、自分が学習してきたことの軌跡が見える、それを見返したら色んな感情や思考が動く、自分で自分を認められたり行動を修正できたりする、自分がしたことの意味を考えて次はどんなことしようか考えられる…。

 

こうした一連の思考や行動のプロセスを踏むということが「消費」とは対極にある「生産」ということばな気がします。

整理整頓は、自分の中で、あるいは他者と何かを「生産」するために大切なことなのかもしれないと気づきました。

 

自分もそうやってできてるかといえば、そうではないかもしれません。

でも今回の気づきを通して、僕自身もそうやし、生徒にもそうなってほしいなと思いました。

 

このブログを読んでくださった保護者の方にも、ご家庭での様子を考えるひとつの視点として、共有できればと思います。

では、また~