初「振り返り」の時間
こんばんは、学びの森のキノシタです。
先日、時間割の決め方が今年度から大きく変わったことをお伝えしました。
今日はその時間割の中身について少しお伝えしたいと思います。
<時間割を生徒たち自身が決める>ことと並ぶ今年度の大きな変更点は、<週に1度「振り返り」の時間を設ける>ということです。
今日はその「振り返り」の、記念すべき最初の時間がありました。
話は少し逸れますが、今まで学びの森では、生徒たちに毎日「振り返り」を書いてもらっていました。
・1コマ目~3コマ目にそれぞれ何をしたか
・今日1日を振り返って感じたこと、考えたこと
これらを書いてもらい、スタッフがコメントをするという形です。
この形式の「振り返り」の面白いところは、ふたつあると思っています。
ひとつは、生徒といつもとは違うコミュニケーションのモードが形成されていくところ。
いつもは寡黙な生徒が急にクイズを出してきたり、絵を描いて色を塗れというお題を出してきたり…。
それらに応じていると、いつの間にか2時間ぐらい振り返りシートと向きあっていた!なんて経験もあるくらいです。
そして次の日にやってきた生徒に、「クイズのヒントください!」や「今回の色塗りめっちゃ自信あんねんけどどう?!」と声をかけることも楽しみのひとつになっていました。
学習中や休み時間とは一味違った、その生徒とのちょっぴりクローズドで洒落のきいたコミュニケーションのモードが形成されることで、自然と距離も縮まっていった気がします。
もうひとつは、生徒がその日ある瞬間に、湧きおこったり、揺らされたりした感情に触れることができるところです。
面白い本に出合った喜び、新しい自分の一面を見つけたときの驚きと戸惑い、傷ついたり怒ったりしたときの気持ち…。
その瞬間にしか出てくることがない、生徒のリアルな感情が振り返りに書かれてあることも多くありました。
中にはこちらがどう言葉を返したらいいのかわからなくなるようなものもありましたが、それを考えることで生徒との関わり方に変化が生じた気がします。
こうして改めて毎日書いてもらっていた振り返りの意味を考えると、無くすのが惜しい気持ちになってきましたが…
今年度からは毎日書いてもらう代わりに、週に1度「振り返り」という時間を設けることにしたんです。
理由はふたつ。
ひとつは、「自分が立てた時間割を点検・修正する」ため。
もうひとつは、「自分が経験したことの意味を考え、ことばにすることで、新しい経験をつくることにつなげる」ため。
僕はこうした運動を続けることが「学ぶ」ということだと考えています。
「振り返り」の時間は、その運動を続けるための時間になればいいなと思って取り入れました。
そこで、初めての「振り返り」生徒たちには何かを書いてもらうのではなく、一人ひとりと話し合う時間を設けました。
この時間割にした理由はなにか、1週間続けてみてどうだったか、何か要望はないか、など色々な質問をしました。
すると、これも時間割を決めたときと同様、生徒たちに語ることばがたくさんあることに驚きました。
・プログラミングの時間をつくったことで、学びの森に来る意義みたいなものができたからよかった
・ゼミでしたような頭の使い方をしたことがなかったから新鮮だったし、継続して参加してみたい
・5月から学校に戻るという目標に対して、数学と英語の復習が足りてないと思ったから、1コマずつ増やしたい
・1コマの時間が短くなったことで、前より集中して取り組むことができた
・はじめは「自ら学ぶ」ということへの戸惑いがあったけど、自分なりのペースで学習に取り組んでいけているので良いなと思うようになった
・まだまだ「計画を立てる」ということに必要なことが何か自分でもわかってないなと思った
生徒たちはこちらが思っている以上に、自分のことを客観的に見て、色々なことを考えているみたいです。
こうした声を聞くには、50分という時間の枠では少ないなと感じたくらいでした。
また、このやりとりは新しくつくった振り返りシートに記入して、生徒一人ひとりのファイルに毎回挟んでいきます。
1ヵ月、1年経ったときに、そのシートから見えてくる生徒の変化がどんなものか?
また、それを生徒自身がどう評価するのか?
今から楽しみです。
では、また~