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日誌

国際交流基金と京都府立図書館にいってきた②~京都府立図書館編~

 

こんにちは、学びの森のタナカです。

 

 

 

 

不登校児童生徒読書活動支援事業という制度のスタートに伴い京都府立図書館まで100冊の本を借りに行くことになった学びの森の面々。

 

 

それと同時に、府立図書館のほど近くにある国際交流基金の京都支部に訪れ、職員の長谷川さんから国際交流についてのお話を伺うことになりました。

 

 

前回の記事では国際交流基金への訪問をとりあげましたが、今回は京都府立図書館編をお届したいと思います!(前回の記事からかなり時間が空いてしまいました…)

 

 

 

 

国際交流基金が入る京都市国際交流会館で昼食を食べ、府立図書館へと出発。

 

 

雨の中歩くこと約10分、京都府立図書館に到着しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

府立図書館の職員の方に出迎えていただき、書庫で早速本選びをスタート。

 

 

 

 

 

 

 

 

見渡す限りの本、本、本!

 

 

 

 

ここにあるのは、小中学校・高校への貸出用の本たち。

 

 

府立図書館では、学校支援の一環として京都府内の学校に本の貸し出しを行っているのだそう。

 

 

学びの森が借りる本も、この中から選びます。

 

 

 

 

この日参加していた10人の生徒たちに与えられたミッションは、「一人10冊まで、借りたい本を選ぶ」こと。

 

 

もちろん読みたい本が無ければ0冊でもOKですし、ほかの人の借りる冊数が少なければ10冊を超えてもOKです。

 

 

1時間ほどの時間をかけ、それぞれの生徒が本を選んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

床から天井までぎっしりと詰まった本たちに圧倒され言葉を失う人もいれば、興奮して見るからにテンションが上がっている人も。

 

 

普段の学習とは全く違う環境ということもあってか、あまり話しているところを見たことがない人同士がおしゃべりしていたり、いつも冷静な人が大好きな「本」に取り囲まれてわくわくしているところやいつもにぎやかな人がめちゃくちゃ集中して本を読んでいるところが見られたり…。

 

 

いつもと違う生徒の皆の様子が垣間見えました。

 

 

 

 

こうしてじっくり時間をかけて選んだ本、約90冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここに府立図書館の職員の方が選んだ数冊を加えて100冊とし、亀岡市内の図書館を通じて学びの森まで送っていただくことになりました。

 

 

 

 

こうして見てみると、選ばれた本は実に多種多様。

 

 

背表紙を見ていると、「この本、誰が選んだんやろう?」「○○さんはどんな本を選んだんやろう?」と気になってきます。

 

 

 

 

本を選ぶという行為は、自分の中の「いいな」という思いを形にする行為、ものを選び取る行為の中に存在する「自己」を自覚する機会のひとつだと思います。

 

 

自分が「いいな」と思うからその本を選び、その本を選んでみて改めて、「私こんなん結構好きよな」「やっぱりこういう話に惹かれてしまうなぁ」と、自分が「いいな」と思う基準や琴線に触れるものの傾向を知る。

 

 

こういう、日常生活の中に存在する「選ぶ」という行為から自分を知ることは、「自分」という存在の輪郭を徐々にくっきりさせることにつながりますし、そこで見えてきた「自分」に気づいていくことで、私でない誰か=「他者」との違いへの気づきや、「他者」のことを知りたい分かりたいという思いが生まれていくのではないかと思います。

 

 

 

 

通信制高校のテストのため、高校生の生徒たちはほとんど参加できなかったので、この日図書館に行けなかった生徒たちが、学びの森にやってきたこの本たちの中からどんな本を選ぶのかも、これからの楽しみです。

 

 

 

 

こうして約100冊の本を選んだあとは、府立図書館の館内を案内していただきました。

 

 

 

 

まずは「図書館」と言われ最初に想像する、閲覧室。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は休館日ということで、館内には私たち以外のひとは誰もいませんでした。

 

 

誰もいない図書館はいつもよりもがらんとしていて、「図書館」じゃないみたい。

 

 

図書館という空間は、本を探し、読んでいる人たちがいて初めて「図書館」になるのかも…などと思ったタナカでした。

 

 

 

 

お次は図書館のバックヤード見学へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

貸し出し受付の奥には、「自動化書庫」と書いた貼り紙が貼られていました。

 

 

貼り紙の下には、ベルトコンベアーが奥までずっと続いているトンネルのような場所が。

 

 

ここはなんと、約40万冊の図書を収めた全自動書庫につながっており、書庫から全自動で運ばれてきた図書がここに到着するのです。(返却もここから全自動で行います)

 

 

実際に全自動で本が運ばれてくる様子も見せてもらい、「おお~~~~~」と感動した我々。

 

 

 

 

 

 

 

 

この様子を見せてもらったあと、その自動化書庫を見に行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

コンテナに積まれた本が大量に収められている書庫は、(確か)13メートル×9メートル×13メートルほどの広さ。

 

 

ここを縦横無尽に機械が動き回り、先ほどのカウンターで入力した本を取ってきてくれます。

 

 

「すごーい!」「Amazonの倉庫みたい!!」と、学びの森の生徒たちも大興奮でした。

 

 

 

 

続いて、閲覧室に開架されていない本を収めた書庫を見学。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本の保管のため温度も湿度も一定に保たれていたり、万が一火事になったとしても本が濡れないように消火装置はガス式のものが取り付けてあったりと、図書館ならではの工夫もお聞きし、それには生徒たちも「なるほど…」と唸っていました。

 

 

めちゃくちゃ古そうな本も、図書館の方から「手に取って見ていいよ」と言っていただき喜んで見てみる人たちも。

 

 

 

 

 

 

 

 

私タナカは個人的に、本を読む権利を行使するために市民が無料で利用できる場所が存在していること、そこでこうして工夫されながら本が保管されていること、そのために働いておられる方がいることが、我々市民の文化的生活を保障するひとつの手段であると思いますし、こういった場所が在り続けることは決して「当たり前」ではなく、我々市民が意識して守り続けていかなければならないと思いました。

 

 

ポジティブな意味でもネガティブな意味でも、今ある「当たり前」がいつまでも「当たり前」である保証はどこにもありません。「当たり前」であってほしいことに対してもっと意識的になり、自分の行動、判断を決定していく必要があると改めて思う機会にもなりました。

 

 

 

 

そうして最後に、マルチメディア閲覧室の見学に。

 

 

マルチメディア閲覧室とは、CD-ROMやビデオ、音声などの資料、そしてオンラインデータベースや新聞縮刷版、マイクロフィルムなどが閲覧できるスペースです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでは、マイクロフィルムを実際に見せていただきました。

 

 

 

 

 

 

こーんなに小さく縮小されたものを、機械に取り付ければ

 

 

 

 

 

 

こんな風に実際の大きさで見えます。ちなみにこれは戦前あるいは戦時中の朝日新聞。

 

 

記事になっている出来事が歴史の教科書に載っている出来事だったり、物価が今と全然違ったり、

 

 

 

 

 

 

 

 

興味津々で読み込んでいる人たちもいました。

 

 

 

 

こうして半日かけ、みっちりと図書館見学を楽しみました。

 

 

本の情報の海の中を泳ぎ、広い図書館を歩き回った学びの森の生徒たちはかなり疲れていましたが、「楽しかった」「図書館ってこんな風になってたんや」「あんなに本が置いてあるなんて知らんかった」という感想が聞こえてきました。

 

 

 

 

本を貸し出していただいただけでなく、このような形で「図書館」を知る機会をくださった京都府立図書館の職員の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

本当に、ありがとうございました!

 

 

 

 

学びの森には早速、貸し出していただいた100冊の本が届きました。

 

 

その様子もまた後日お伝えしたいと思います。