学びの森の東九条マダンレポート その2 当日編
こんにちは、学びの森のタナカです。
学びの森の「プロジェクト」の時間で2ヶ月にわたり準備してきた、東九条マダンへのたこせん屋台の出店。(準備の様子は「学びの森の東九条マダンレポートその1 準備編」へ)
当日、11月3日。
無事ほとんどのメンバーが会場である崇仁小学校に集合、店の設営もどうにか終えると、とうとう学びの森のたこせん屋台、オープン…!
といくはずが、ここでハプニング発生。
今回のたこせんの❝売り❞、オリジナルポイントである「絵を描ける」たこせん。ステンシルシートのように絵を描きたい部分だけ切り抜いた「型」を作り、その上からけずり粉をかける方法で絵を描くことになっていました。そのステンシルシートが、こちら。上から、ミッキー、ミニオン、ドラえもん、アンパンマン。
前回の記事で紹介したように、この型もすべて生徒たちの手づくりです。
当初の予定は、図のように、 ①たこせん ②ソース ③マヨネーズ ④天かす まで乗せた上に型を浮かせて持ち、その上からけずり粉をまぶすことで絵を描く予定でした。
ところがどっこい、開店前に皆で実際に作ってみたところ、けずり粉をかけようとするとたこせんの表面に着地する前にけずり粉が空中で散ってしまい、うまく絵が描けませんでした。
ど、どうする皆…?!と固唾を呑んで見守っていましたが、たこせんに直接型を敷いて粉をまぶせば失敗しないのでは?という誰かのアイディアにトライしてみると、無事成功。
改めて、生徒たち自身が持つ土壇場で事態を何とかする力を目にし、すごいと思いました。大人が思っているよりもはるかに何でもできるんですよね、彼らは。こうして完成したたこせんが、こちら。
み、ミニオンや~~~!!
しっかり絵が描かれました!直接たこせんに型を敷き、最初にけずり粉をふるいかけ、その周りにソースやマヨネーズなどの具材を配する、ということで解決。これでばっちり絵入りたこせんをお店に出せることに。
屋台の店番はシフト制で、シフトに入っている人たちはたこせんを作る人と呼び込みをする人、注文を受けお金の受け渡しをする人の3つに分かれていました。シフトに入っていない時間は自由におまつりを楽しんだりノルティギという民族遊びのサポートに入ったり。プンムル班に参加しチャンゴという打楽器を演奏することになった生徒たちもいたり…(彼らは別途プンムル班の事前練習にも参加していました)。
いろいろな参加の仕方がありました。
このマダンへのいろんな参加を通して、生徒のみんなの新しい顔をたくさん見ました。
わりと大人しい雰囲気で、外に出たりすることはあまり好きじゃないのかな?と思っていた生徒がノルティギにめちゃくちゃハマり楽しそうに何度も何度も跳んでいたり、学びの森では自分から大きな声でしゃべることのあまりない生徒が大声を出してお店の呼び込みをしていたり、語り場や出会い場といった機会ではみんなの前でコメントするのを「パス」していた生徒が自分の言葉でお客さんにしっかり対応していたり、これまでは新しいことにあまりトライしたがらなかった生徒がすっとノルティギに挑戦してみたり…。
屋内と、屋外。
学びの森の教室の中と、元小学校のグラウンド。
基本の温度調節された空間と、遮るものが何もない中直射日光が照りつける砂舞う空間。
クッション付きのくるくる回る椅子に座っている状態と、基本的には立ちっぱなしあるいは歩いている状態。
かすかにクラシックが流れるだけの静けさと、いろんなジャンルの音楽や人のしゃべり声や呼び込みの声が聞こえてくる喧噪。
学習に取り組んでいる日常と、おまつりにたこせん屋台を出店している非日常。
一人ひとり異なる学習メニューに個別に取り組むことと、「たこせんを売る」というひとつの同じ目標にむけてみんなで取り組むこと。
普段の学びの森での学習と、東九条マダンへの参加。
これ以外にも、違う要素を挙げてみたらきりがありません。
これらの違いとマダンでみんなの新しい顔をたくさん見られたこととの関連性は、「こういうところが見られたのはこんな違いがあるからだろう」という直線的な関係性ではなく、そういった様々な違いが重なり、それを受けとる一人ひとりの個性やこれまでの経験や準備があり、人によってそれぞれの出来事の受け取り方が違ったり…と、いろんな要素がいろんな角度から影響し合う非直線的な関係性だろうと思います。
ですが明らかなのは、普段の環境では見られない様子が環境を移せば見られることがある、ということ。こういった機会の大きさを改めて実感しました。
こうしていろんな参加の形があった東九条マダン。学びの森のたこせんは、なんと売り切れ!!!!
学びの森のたこせん屋台出店史上最高金額の売り上げを記録し、経費を除いた金額全てをカンパしました。
たこせんが売り切れたすぐあと、マダン全体も終わりに向かっていきました。
ドラムの演奏に合わせてみんなで踊り、とうとうフィナーレ。
ここでも踊り狂う人がいたり、恥ずかしがっていた人が途中から輪に加わる様子が見られたりと、いろんな姿が見られました。
こうして、学びの森の東九条マダンは終わりを迎えました。
最後に、たこせんの売り切れ記念に撮った写真を。
みんな日差しがまぶしそうですが、いい顔してます。
学びの森のスタッフとして、一参加者として、個人的に、今回のマダンはもうめちゃくちゃ楽しかったです。
こんなに楽しくて、みんなの力やいろんな表情が見れて嬉しかったイベントはなかなかなかった、と思うほど。こんな経験をさせてくれたみんなに改めて感謝を伝えたい気持ちです。ありがたいなぁ~。
さて、2回にわたってお伝えした東九条マダンの記事もこれにて終了。
またこうして楽しいイベントの様子をお届けできればと思います。