人たるに値する?
ハイスクールの生徒には、現在アルバイトをしている子がいます。
「え?アルバイトしていいの?」と思う方もいるかもしれません。
実際、僕が高校のときはアルバイトは校則で禁止でした。
でも、私は生徒がここ以外の「社会」とつながっていくために必要なプロセスのひとつだと考えています。
そのため、一緒に履歴書を書いたり、面接の練習をしたり、募集要項を確認したことも。
初めてのバイト、年齢も背景も様々な人たちと一緒にはたらく経験は、とても大事なことだと思います。
しかし、最近生徒の話を聞いていると「それって大丈夫なん?」と思うこともしばしば。
というのも、「就業規則とか渡されたっけな?」とか「ロウサイ?なんすかそれ?」という言葉を耳にするからです。
そういう「ワークルール」を知らないまま、「社会」に出ていくことはとても危険だと思います。
まぁ、こんなこと言ってる僕も「ワークルール」についてほとんど何も知りません。
生徒たちを見て「大丈夫なん?」と思う前に、「自分自身は大丈夫なんか?!」と反省しました。
ならば一緒にイチから勉強しよう!
ということで「ワークルール」を(というよりそれに関する言葉をまずは)学ぶ時間を持つことにしました。
使用した教材はこちら。
労働者と使用者のリアルなやり取りをもとに、ワークルールの基礎知識をおさえていくことができます。
詳しい解説も載っていて、こんなことが法律で決められてんねや!と目から鱗なことも多々ありました。
・アルバイトでも「労働者」である
・「お皿を割ったら500円の罰金!」は違法
・残業は基本的に違法
など、生徒も僕も、今のはたらき方を思い返しながら「これって労働基準法に違反してるんじゃ・・・」
「ワークルールを知ってても、実際なかなか言い出せへんこともあるよな・・・」などを話し合いました。
確かに、はたらいていて「これどうなの?」と思うところがあっても、実際その状況になってみると判断がつかない場面も多いです。
でもこうしてひとつずつ法律の知識を手に入れておくことや、法律に書いてあることを理解するための概念を手に入れておくことは必要だと思います。
また、教材を進めていくうちに、僕の中でたくさんの疑問が生まれました。
それは、労働基準法第1条を確認していたときのことです。
第1条「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」
「人たるに値する」ってどういうことやろう・・・?
以前、ハイスクールの生徒たちと「はたらくこと」について色々と考えたことがあります。
「はたらくこと」は自分たちにとって大切だと思っていたし、「はたらく」上で大切にしたいこともありました。
そういうことが守られることが「人たるに値する」ということなんかな・・・?
何かもっと別の意味も込められてるんかな・・・?
この法律ができるまでは「人たるに値」しなかったんかな・・・?
そもそも「権利」って何やろう・・・?
あらためて「はたらく」ってどういうことやろう・・・?
こうした疑問に自分なりの答えをつくりだすためにも、生徒たちと一緒に引き続き学んでいきたいと思います。