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日誌

学びの森に、大学生がやってきた

 

こんにちは、学びの森のタナカです。

 

 

前回のブログでお伝えした、京都ユースフォーラム2018「私の学び、みんなの学び」。そこにはたくさんの大学生が参加してくれました。

 

そしてその多くは、1月に学びの森ハイスクールの生徒たちが立命館大学に出向いた際交流した、教員志望の大学生の方々でした。

 

参考記事:「個人として出会う」「『不登校』だから?」

 

 

 

 

そこで出会った大学生の方々が、学びの森に見学にいらっしゃいました。

 

 

 

 

やってきた大学生はなんと総勢7名。

 

1月の交流授業や3月のフォーラムで「不登校」という言葉からイメージされる生徒像ががらりと変わったと語る、教員志望の彼ら。

 

学びの森がどんな場所でどういう学習をしているところなのか、実際に見てみたい!とのことで来てくださったそうな(私が「ぜひ遊びに来てください!!!」と猛プッシュした、とも言う)。

 

 

授業で交流したり、参加してくださったフォーラムの企画運営を行っていたりと接点の多かった、すなわち大学生の皆さんの中の「不登校」イメージを少しばかり変えたと思われる学びの森の高校生たちと、まずは意見交換の時間を持ってもらいました。

 

 

最初のテーマは先日のユースフォーラムについて。大学生から感想を聞いてみたいと学びの森の高校生たちから声が上がっていたため、直接聞いてみることに。

 

 

大学生の皆さんが語ってくれた感想をいくつか挙げると…

 

 

・その日の進行予定が分かりやすく表示されていたり司会によって説明されたり、運営が工夫されていた

 

・グループディスカッションで高校生たちが意見をまとめ発表してくれていたのがすごいと思った

 

・企画を高校生だけで考えているのがすごい。チラシの文言を一つ決めるのにもたくさん話し合ったと聞き、心からの本音を言い合う話し合いを高校時代にしたことがなかったので、そんな経験ができるのが羨ましいと思った

 

・答えのない問いについて考えようとすることが学びの森の特色なんだなと感じた

 

・自分自身は大学生になるまで受けてきた教育に何の疑いもなかったので、これまでの教育に疑問を持つみんなをすごいと思った

 

・こういうフォーラムの企画運営ができるところが学校と学びの森の大きな違いなのかなと思った

 

 

などなど。

 

 

大学生からの感想や質問を受けて、学びの森の高校生たちもフォーラム開催までを振り返り語ってくれました。

 

 

グループディスカッションのテーマを決める意見交換の中で、自分たちが「学校の学び」をベースにしてしまっていることに気づいた。そのテーマで果たして「学び」について話し合えるのか?ということに思い至り、「学校」に囚われないテーマを選ぼうと気をつけた。

 

とある生徒が語った時には、「そんな気づきがあってあのテーマ(※)になったんや!」と私自身も驚いたり。

 

(※)あのテーマ

・失敗から学ぶこと

・覚えるだけの学びは必要?

・自分の趣味から学べること

・都会・田舎でしか学べないこと

・人と関わる中で学べること

 

 

フォーラム直前、うまくいくかどうか不安で不安で仕方ないと漏らす生徒がいた一方、全然不安そうに見えなかった生徒が「実はめっちゃ不安やったで!」と語ってくれ、皆でびっくりしたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は、学びの森の普段の学習について大学生から質問を受け、高校生たちが答えていきました。

 

 

 

 

「学びの森の席の配置はどうなってるの?」「どんな学習をしてるの?」「時間割ってどうやって決めてるの?」といった具体的な質問に全て生徒たちが答えてくれ、我々スタッフはただ聞いているだけ…。

 

若者たちのやりとりを聞きながら、こういった質問に生徒自身が答えられるのは、生徒たちが主体的にこの場での学習に参加している証のひとつなのでは?と感じたタナカ。

 

 

それと同時に、我々スタッフが同じ質問に答える時とは違う言葉で生徒たちが答えているのを聞き、「彼らはこんな風に受け取ってるのか」「彼らが語るとこうなるのか」と新鮮に感じもしました。

 

それを最も顕著に感じたのが、「学校と学びの森のいちばんの違いは何?」という問いに対する答え。

 

私が答えるとなると「生徒の今いる場所からスタートする、一人ひとり違う個別プログラムでの学習」を真っ先に答えるかと思うのですが、彼らが答えたのは以下のような内容でした。

 

 

・私たちがどういう勉強をやりたいか、今どう思ってるか、今やってる教材はどうかなど先生と事細かに話せるところ。自分がやりたいと思ったことを受け入れてもらえるところや、休み時間でも先生とたくさん話ができるところ

 

・先生が一人ひとりの生徒を個人として見てくれるところ。個別塾のもっと踏み込んだバージョンみたい。勉強のことはもちろん、人生のこととかも話せる

 

・人と、勉強スタイル。自分のペースで安定した状況で学習していける。学校に行けなくなった中で人間不審にもなったけど、ここの人とは言いたいことを言える信頼関係を築けた

 

・やってることで無駄と思うことがあまりないところ。自分に必要な学習をできている感じがする

 

 

「そこなんやー!でもなるほど!」と思う解答ばかり。生徒から見た「学びの森」が垣間見えた瞬間でした。

 

 

 

 

たっぷり1時間意見を交換したあとは、通常の個別学習を実際に大学生たちに見てもらいました。

 

 

 

 

 

 

「大学生に教えてもらえて嬉しかった、楽しかった」と語る生徒もいれば、「見知らぬ人に教えてもらうのは緊張した」と語る生徒も(そりゃそうだ)。

 

当たり前ですが、生徒たちの感じ方は様々。それと同じように、大学生たちも様々に感じていたかと思います。

 

 

ここに来たことで、そしてそこでいろんなことを感じたことで、「不登校」「フリースクール」という言葉からイメージする子どもたちの背景や光景、そこで行われている学びのイメージが、大学生の皆さんの中で少しでも多様になっていればいいと思います。

 

同様に、学びの森の生徒の中でも「大学生」「大学」という言葉がより具体的なイメージを連想させるようになっていれば、とも。

 

 

 

 

こうして終わった、大学生の学びの森への見学。

 

 

「不登校」「大学生」といったひとつの枠組みで括られる前に存在しているはずの一人ひとりの人間に出会うことで、その括りの不確かさや脆弱性、括られた中に存在する多様性をやっと認識できるのだと思います。

 

 

来てくださった大学生や交流した学びの森の生徒たちにとって、この1日が「人々を括る枠組み」を知る機会でなく、「一人ひとりの人間としての出会い」の機会になっていればいいな、と。

 

 

 

 

さて!

 

このように学びの森では、入学を見据えた相談だけでなく、視察や見学も受け付けております。

 

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