学びの森クリスマスパーティーの報告と、冬休みのお知らせ
こんにちは、学びの森のタナカです。今年も残すところあと数日となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、先日年内最後の授業日を迎え、冬休みに入った学びの森フリースクール・ハイスクール。年内最終日の前日、毎年恒例のクリスマスパーティーが行われました!
昨年までは、基本的に我々スタッフが毎年恒例のプログラム通りに段取りをし、当日の進行もおこなっていたこのクリスマスパーティー。それまでのものとは一味違い、今年のクリスマスパーティーは、生徒たちが企画・実行するクリスマスパーティーでした。
2017年最後の更新となる今回のブログでは、その模様をお届けしたいと思います。
学びの森の教室もクリスマス仕様
このパーティーの準備が始まったのは、パーティー実施日の約1カ月前。桜井先生のゼミの時間でした。
私タナカは桜井ゼミに入っていないため、その場でどういう流れからクリスマスパーティーの企画実行に至ったのかは不明です。ですが11月の終わり頃、「田中先生、学びの森のクリスマスパーティーって12月21日ですよね?」と桜井先生に確認され「あ、はい。何かあるんですか?」と尋ねたところ、「生徒が自分たちで今度のクリスマスパーティー企画しようって言って、今ゼミで考えてるんですよ」という答えが返ってきたのでした。
それ以降、桜井先生以外のスタッフがほぼ関知せぬところで自分たちだけで何やら動いていた様子の彼ら。知らぬ間に教室に楽譜がぽんと置かれていたり、昼休みにゼミメンバーたちが上がっていった2階から歌声が聞こえてきたり、コピー用紙をつなぎ合わせて大きな紙を作っていたり。そういったことから、何が行われるかをなんとな~くうかがい知ることしかできませんでした。
そうして迎えたパーティー当日、12月21日の3コマ目。
毎年恒例のプレゼント交換は行うということで、みんな事前に500円程度のプレゼントを用意してきました。それをテーブルに並べ、番号を割り振っていきます。
去年までの学びの森では、ここで「私これがいい」「あれがいい」とプレゼントの狙いを定める声が聞こえてきましたが、今年はどうやら様子が違います。それもそのはず、生徒のみんなはパーティーの準備に忙しそう。
歌詞を書いた紙を貼ったり、
電子ピアノを運んだり。
準備が整いみんなも着席。司会の生徒たちの進行により、パーティーはスタートです。
司会の生徒の進行が絶妙におもしろく、みんなで大笑いしながら進むパーティー。まずはみんなで企画し闇練を繰り返していた歌の披露。
学びの森は1階のメインの教室が吹き抜けになっており、生徒たちが2階の小教室で歌の練習をしていると、歌声が上階から降ってくるんです。みんなが練習していた期間は、それを聞くのをひそかな楽しみにしていました。
そんな風に練習してきた子の歌声を聞くのかと思いきや、練習していない生徒もスタッフもみんなで歌うことになっているようでしたが、想定外のことが起こってもたいていのことには対応できる学びの森の生徒たち。準備を担当してきた生徒たちがピアノや鍵ハモで演奏してくれる中、みんなで一緒に歌いました。
歌った曲は、
「あわてんぼうのサンタクロース」に、「もろびとこぞりて」、「ジングルベル」という定番のクリスマスソングたち。
「歌」を大きい声で歌うのって気持ちいいなぁ、そういえば赤ちゃんは言葉を話すより先に歌を歌うって何かで読んだことあるなぁ、歌と人間の関係性っておもろいなぁ…などと思いながら純粋に歌うことを楽しみ、最後の曲「赤鼻のトナカイ」を迎えようとしたところで、ホワイトボードに貼ってあった歌詞を生徒たちがべりっとはがし、その下から「赤鼻のトナカイ 学びの森替え歌バージョン」の歌詞が出てきました。
どうやら生徒たちで学びの森のこの1年を振り返る歌詞を自作し、それをサプライズで歌おうという試みだったようなのです。
1番は本来のもの、2番が替え歌バージョンとなっていた歌詞。1番を歌っている間は本来の歌詞のみを見せ、2番に入った瞬間に替え歌バージョンにチェンジしみんなを驚かせる!という作戦だったようなのですが、歌詞をめくるタイミングが少し早まってしまい、いちばん初めに替え歌バージョンまで見せてしまったらしく、そこまで驚くことなく(感動はしました)、けっこうすんなり替え歌バージョンに移ってしまった我々。
歌い終えたあとに、タイミングを間違った男子に「もー!あのタイミングで歌詞めくってたらサプライズできたのにー!」と女子が怒っており、その構図がほほえましかったです。
ハプニングがありつつも歌の時間を終え、続いてはお楽しみのプレゼント交換にうつります。
学びの森フリースクール・ハイスクールのクリスマスパーティーのプレゼント交換は、これを使います。
そう、ビンゴ。
学びの森のプレゼント交換は、最初にプレゼントに番号を割り振っておき、ビンゴで出たボールに書かれた番号のプレゼントをもらう、というスタイル。プレゼントをもらったその場では開封せず、みんなにプレゼントが行き渡ってから一人ずつ順番に開封し、誰からの贈り物が当たったのかを明かしていきます。
この時間がけっこうワクワクで楽しいんですよね~。「この人こんなん選ぶんや!」とか、「あ~こういうチョイスもあったな~」とか、意外な一面や自分では思いつかないアイディアに触れ、それにみんなが反応する様子を見ているのが、毎回おもしろいです。
余談ですが、去年のプレゼントは、コンセプトを「普段は買おうと思わへんけどあったらちょっとおもろい便利なもん」とし魚の形をした自立型しゃもじをチョイスし攻めたタナカ。しかし当たった人に「しゃ、しゃもじ…?」と残念がられたため今年はコンセプトをチェンジ。「誰がもらっても嬉しい、日常をちょっと嬉しくするお菓子」として(守りの姿勢)、3時のおやつにもお酒のアテにもなるクッキーやクラッカーなどを選んでみました。村岡先生に当たって、無事お酒のアテになりそうでひと安心でした。
閑話休題。そんなお楽しみプレゼント交換が終わったら、お待ちかねのケーキ!ケーキをいただきます!
毎年このケーキを作ってくださるのは、以前出会い場にも講師として来てくださった、学びの森が昔からお世話になっているパティシエの稲村智子さん。このケーキがとっても美味しくて、毎年楽しみにしています。
そして稲村さんの作ったケーキをいただきながら、一人ずつ今年一年を振り返っていきました。
校名が「アウラ学びの森知誠館」から「学びの森」になったことに始まり、WEBサイトのリニューアル、朝日新聞の長期取材と記事の掲載、東九条マダンへの出店、教育長の訪問、生徒の入れ替わりや増加など、いろんな出来事があったこの一年。
みんなそれぞれ、いろいろなことを感じているようでした。
生徒たちが自身の言葉で何かを振り返る時にはいつも、彼らの語る言葉に驚かされたり、はっとさせられたり、なんだかちょっと感動させられたりします。同じ状況の中に存在し同じ出来事を共有していても、人によっては全く違う風に受け取って全く違うことを感じたりしているんだなとか、逆に同じように感じている人もいたんだなとか、そんなことを感じます。
こうした「ふりかえり」の機会は、同じ状況を共有した人たちが、それぞれの経験を言語化することによって再度共有し合う、というプロセスの重要性を実感するひとつの大きな機会です。
この日も、生徒たち(そして他の先生方)の語ったことに「この生徒はこんな風に感じてたんか」「あのイベント、そんなに楽しんでくれたんか」「その状況をそんな風に見てたのね!」など、いろんなところに発見がありました。
いつもより少し改まった場で、たくさんの人に向かって自分の思うことを説明するのは、案外難しいものです。だからうまく言葉にまとまらない場合は「パス」することもできるのが、学びの森らしいところ。
そんな風に「ふりかえり」を終え、最後は全員で写真を撮り、おひらきとなりました。
このように、今年のクリスマスパーティーはこれまでと違い、生徒が主となり行われたものでした。この動きを見て、生徒たちの「考え」を「現実」にしていく力を目の当たりにしたように思います。
ゼミに参加していなかったので、このクリスマスパーティーが実現するまでの過程を私は知りません。ですが、大人数でひとつの企画を立ち上げ実行に移すまでには、自分の意見を相手に伝えること、相手の意見を聞き受け入れること、実務的な作業、その分担決定など、様々なやりとりが重ねられるかと思います。
その積み重ねが、彼ら一人ひとりにとって大きな経験となり、彼らが所属するこの「学びの森」という場にとっても大きな経験となるんだと感じました。
来年も、彼らが多様な学びの経験を蓄積すると同時に、「学びの森」としても多様な経験を重ね、成長していきたいと思います。
さて、学びの森フリースクール・ハイスクールの新年のスタートは、1月8日(月・祝)となります。新年にみんなのいい顔が見られますように。
それでは皆様、本年は大変お世話になりました。よいお年を、お迎えください。