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日誌

卒業生の語り場

 

 

学びの森に通う生徒たちが、自らのライフストーリーを語る「森の語り場」。

 

先日、その番外編が行われました。

 

 

 

なぜ「番外編」なのかというと、その日の「語り場」は、現在学びの森に通う在校生の語りを聞く場ではなく、かつてここに通っていた「卒業生」の語りを聞くものだったからです。

 

 

 

 

 

「大学」について知ってみよう

 

 

 

 

この卒業生版の「語り場」は、

 

・自分たちの先輩がいつ頃からどんなふうに進路を考えはじめ、選択したのか

・そのためにどんなことをしたのか

・卒業後の今、どんな生活を送っているのか

 

といった話を聞くことが、現在の学びの森の生徒にとって今後の進路を考えるにあたっての参考になるのではないかという思いで企画されました。

 

 

 

 

フリースクール部門とハイスクール部門を有する学びの森には小学生から高校生までの幅広い学年の生徒がいるため、本来であれば中学卒業と同時にここを巣立った現在高校生の卒業生にも話を聞きたかったのですが、日程の都合上残念ながら来てもらうことができず…

 

今回は、高校卒業と同時に学びの森(旧知誠館)を卒業した2名の現役大学生に来ていただき、主に「大学」という進路選択にまつわるお話を伺いました。

 

 

 

 

 

 

この日語ってくれた、2人の卒業生

 

 

 

 

 

実はこの2人、学びの森ハイスクールのWEBサイトにも卒業生として登場してくれているので、ここに来るまでの歩みやここで何を感じ学んだか、彼らがここをどんな場所だと捉えているかについては、そちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

実は、この日語ってくれた彼らは私もアルバイトスタッフ時代に関わっていた生徒たちなのです。

 

 

 

そんな彼らが、

 

 

 

 

 

「昔から何となく大学は行くんやろな~と思ってたけど、ここに通い始めた頃はそんなん全然考えられへんかった。そもそも全然起きられへんかったし」

 

「第一志望の大学に一回落ちて、『ちゃんとやらな』と思うようになった」

 

「実際にオープンキャンパスに行って体験授業受けてみて、ピンとくるものがあったから志望変えて、この学部にしようと思った」

 

「オープンキャンパスに行ったら不登校やった中学時代の同級生がいて、この大学にはもう通えへん!と思ったけど…それ塾長に言ったら怒られて(笑)なんとか行けました。それもここで過ごした時間が自信になってたんかなと思う」

 

「ここに通い始めた中学生の頃、全日制の高校に通うのなんて考えられへんかったけど…。高校時代ここで過ごして、大学に行くことは自然と考えられるようになったなぁ」

 

「大学入ってから、全日制の高校行ってなかったからって困ることはほとんどない」

 

「まあもうちょっと古文とか勉強しとけばよかったな~と思うこととかはあるけど、それも行く学部によるかな」

 

「大学は友達づくりが大事かなと思う。授業休む時にレジュメ取っといてもらったり、ノートのコピー取らせてもらったりするから」

 

「まあでも専門的な勉強に入るまで、最初はめっちゃつまんなかった」

 

 

 

 

 

 

と、いろんな角度から、言葉を尽くして学びの森(旧知誠館)での自身の変化と現在の生活、その関連性を振り返ってくれたことに純粋に「成長したな…」と感動したタナカ。

 

 

 

 

実は私も彼らと共に、大学を卒業した者として少し話をさせてもらいました。

 

 

そこに至るまでにいろいろな悩みや葛藤がありながらも、今の大学生活を彼らなりに楽しみ、好意的に受けとっている卒業生たちと同じように、私自身も大学に行ってよかった、大学時代はいい時間だったと考えています。

 

 

大学に行ったことで中高時代のスクールカーストから解放され気持ちのいい空気を吸うことができましたし、いろんな人に出会い、経験を重ね、世界の広さを知れたと。

 

 

 

 

 

ですがそんな話が終わったあとに印象的だったのが、振り返りで村岡先生がおっしゃった「大学にいくことだけが全てじゃない」というメッセージでした。

 

 

 

「ここにいた時のことを知ってる2人がこんな風にしゃべってるのを聞いて、成長してるのを見て、大学行ってほんまによかったなぁと思う。でも自分の経験から、勉強が好きじゃない人にとって大学に行くのはしんどいとこやと思う。別に大学行かへん道、それで輝ける道だっていっぱいあるし、いろんな選択肢をみんなには考えてみてほしい」

 

 

 

 

 

こうおっしゃった村岡先生の言葉に、ほんまやなぁと心の中で深くうなずきました。

 

 

というのも私には3つ下の弟がおりまして、「○○(弟の名前)も大学行った方がいいと思う」という私の安直なアドバイスを聞いたのかどうなのかほんとのところはいざ知らず…紆余曲折を経て彼も大学に進学しました。

 

ところがそこが彼には合わず、とても苦しんで、大学を途中で退学することになったのです。

 

 

そんな経緯を経て今また好き勝手しながら生きている弟を近くで見てきた人間として、村岡先生の言葉はとてもリアルで、説得力のあるものでした。

 

 

 

 

 

 

卒業生2人の話と村岡先生の話を聞き、そして私自身の経験を思い出しながら、いろんなことを考えた90分。

 

 

「大学に行く」ことを考えるということはすなわち「大学に行かない」ことを考えるということでもあり、多様に存在する生き方の道を自由に(環境によっていくつか制限がある場合は現実的にもちろんありますが)選択することができ、合わないと思えば戻ったり変えたり修正したりすることは案外いくらでもできる。

 

 

 

そんなことを頭のどこかに置きながら「進路」を考えてみてほしいな、と思った卒業生の語り場でした。