「学び」の森は「生活」の森。そこから見える、子どもたちの成長
こんにちは!学びの森のタナカです。
学びの森は、「学習」の場でありながらも、学校と同じく、一人ひとり全く異なる個性を持った生徒たちが日々を過ごす「生活」の場でもあります。
そのため、日々いろんなことが起こります。
おもろいこと、嬉しいこと、楽しいこと。
人間が集まる場ですから、もちろんそういったポジティブなことだけでなく、考えなあかんこと、話し合わないといけないことも起こります。
先日も、とある出来事がありました。
学びの森では、毎日お昼休みのあとに掃除の時間を設けているのですが、その掃除の時間、学びの森の一階の大きな教室での出来事。
こちらの教室です。広いので、掃除はけっこう大変。
学びの森の一階の大きな教室の掃除は、モップかけが1人と机拭きが1~2人、計2~3名の生徒で担当します。
その日は、一階担当になったうちのひとり、Aくんが「モップをしたい」と言い出しました。でも別のBくんがすでにモップを取っていました。
「じゃんけんしよう」と言うBくんに対し、Aくんはそれには納得できず、応じたくない様子。
なんでじゃんけんでは納得できないかを尋ねてみたところ、Aくんはこう言いました。
「Bくんはこれまでの一階掃除では最近ずっとモップをやってる。それはじゃんけんで勝ち取ったものじゃなくて、早い者勝ちやった。それを考えると、今日はBくんにモップを譲ってほしい。次からはじゃんけんに応じるから」
このAくんの主張に、私はちょっと感動しました。
というのも、彼はここに来始めた頃、ここまで論理的に自分の主張を述べることができなかったのです。
嫌なことがあっても、何が嫌だったか、どうしてほしいか、自分はどうしたいかを尋ねると黙ってしまうような子でした。
そんな風に、感じていることや考えていることを言葉にして表明する、ということが得意じゃなかった彼が、自分の主張を、しかも快適とはいいがたい状況下で、論理的に、説明した。
もちろん彼がこういったことを言えるようになるには、ここでは自分の意見を主張しても大丈夫だという安心感、これまでに講師や生徒たちと築いてきた関係性への信頼が背景にあると思います。
ですが、それを踏まえても、彼はおおいに成長した。(そういった安心感や信頼を築けてこれたというのも彼の成長の一つでもあります)
その成長に、感動してしまったんです。
ちゃんと勉強する「学び」の場ではあるけれども、それだけじゃない生活の部分も共有するからこそ見える、生徒たちの変容や、成長。
子どもたちがところどころで見せてくれるそんな変化に、なるべくたくさん気づける大人でありたいと改めて思った出来事でした。