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日誌

うまくいってることもありますよね

「何度も何度も起こしても起きないんです。こんな風にうるさく言い続けた方がいいですか?それとも、放っておいた方がいいですか?」
そんな問いかけを投げかけたのは、睡眠障害に悩む女の子のお母さん。毎日毎日うるさく起こしているらしいのですが、一向に功を奏さない状況にあるそうです。


「ところでお母さんは、〇〇子ちゃんと一緒にどこかへお出かけになることもあるんですか?」
「ありますよ」
「その時は、どんな話をされます?」
「そうですね。ついつい朝起きる話とか・・・」
「そうですか・・・、お説教になることが多いんですね」
「はい・・・」
こんな風なやり取りがお母さんとの間で交わされました。
振り返ってみると、お母さんはいつも彼女のできていないところばかりに注目しています。
来る日も来る日も、彼女からすれば嫌な話題ばかりが取り上げられます。
「たとえば、ご主人にお母さんのできてないことばかり毎日毎日言われたらどうですか?」
「一緒にいたくなくなります」
「そうですよね。離婚なんて話になるかもしれませんね。でもこれ夫婦だったら、離れることできるんですが、親子はそうはいかない・・・」
「なるほど・・・」
親が子どもの行動に対して何らかの問題を感じるとき、どうしても日常的にその行動ばかりに意識が集中しがちになります。このことは結果的に否定的なことへの意識付けを強化してしまうことになります。たいていの場合、問題のある行動は、全体のほんの一部にしかすぎません。たいていの行動は建設的であり、協力的なものです。でも意識は、どうしても問題に集まってしまうのです。
私がお母さんに伝えたかったこと、それは問題のない彼女の行動にもっと意識を持っていってください。そうすることで、二人の関係をより良いものへと育てていくことを目指してくださいということでした。関係がよくなると、自ずとお母さんの彼女に対する影響力が増していきます。そこを狙って問題解決を図ろうというのが、私の意図なのです。
「うまくいってることもありますよね」
否定的なメッセージばかりが続いてしまうと、私はよくそんな風に投げかけるのです。