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日誌

育てていきたい力って?

知誠館のスタッフミーティングで
「子どもたちに対して、私たちが育てていきたい力って何だろう?」
という問いが出されました。
そして、知誠館の運営にかかわる7名のスタッフが
それぞれの考えを次回に持ち寄ることになったのです。


不登校の子どもたちに育てていきたい力って・・・・
私の場合はかなり明確で
自分の人生をいったん否定してきた不登校の子どもたちに
「自分の人生には、かけがえのない意味があるんだ」
と自覚してもらうことです。
様々なことがきっかけとなって、
人生のメインストリームから離脱することになっていった
不登校の子どもたち
そんな彼らが、フリースクールというもう一つの場で
自分自身を振り返り
新しい視点を手に入れ
未来に対するビジョンを描いて
再び社会の中へと帰っていく
そんな過程を私たちは彼らと共有しているように思うのです。
自分の人生に意味を見い出すためには
「文脈を構築する力」が必要です。
意味は、ある特定の経験から作り出されるものではありません。
時間軸に沿った経験の積み重ねを
その本人がある視点で編集して初めて意味が生まれます。
それは一つの物語(ナラティブ)と言えるのかもしれません。
だから文脈構築力は、物語る力と言えるのかもしれませんね。
あとは、その人生の意味をたえず更新することが必要となります。
生きていくということは、絶えず新しい経験をするということです。
そして、その経験を自分の人生の意味に組み込んでいかないといけません。
それが意味の更新につながります。
「更新力」とでもいいましょうか
そんな力がいるわけです。
更新は、変化です。
変化を生じさせていくためには、自分とは違った視点が大事になっていきます。
つまり、他者とのつながりが必要になるのです。
子どもたちには、自分の人生の意味を作り出すと同時に
他者の考えと対話できる力を身につけていってほしいと思うのです。
そうすることで、自分の物語をたえず更新し続けることができるからです。
人生には、厳しい状況もあるでしょう。
不登校になった子どもたちの多くは、
一度は「こんな自分はもう生きていてもしかたがない」と思った経験を持っています。
そんな彼らだからこそ、
最悪の状態からでも自分の人生を描いていけることが実感できるんです。
人生の物語には、厳しい状況も大切な場面として必要なんです。
つまるところ
不登校の子どもたちに育てていきたい力
それは、自分の人生の物語を描いているということへの自覚と意識なのかもしれませんね。
これからも考え続けたいテーマです。
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