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日誌

可能性をいかに高めていけるのか

「人生の可能性をいかに高めていけるのか?」
私は教育の使命は、ここにしかないと思っています。
あるいは、これが学びの意味なのかもしれません。


人間は、他の動物と比べて圧倒的な学習能力を持っています。
このことは言い換えると、遺伝的に本能で支配されることが相対的に少ないということです。
先日、アウラの庭に山鳩が巣をつくり、そこで2匹の雛をかえし見事に巣立たせました。
その献身的な親鳥の姿に子どもたちは感度を覚えたわけですが、実はこの子育ても本能に支配された行動なんです。だから、そこに虐待もないし、子育て放棄もないのです。
でも人間は、本能だけでは生きていけない。様々なことを学び取っていくことで自分の人生の可能性を開拓していくのです。
このあたりの研究は、社会生物学や霊長類研究、進化論研究といった各領域に詳しいわけですが、私はヒトが学ぶということの原点が、ここらあたりにあるのだと思っています。
学ぶことの原点は、その可能性の拡大にあります。よりたくさんのエサを手に入れたり、より複雑で高度な行動を分化させていったり、新しい領域を生み出したり、そういったことを学びの活動は提供します。つまり学ぶ前の自分と学んだ後の自分とは、その可能性に違いがあるのです。
私たちのところにやってくる多くの学校行かない子どもたちは、自分の人生の可能性を見い出せない状態にあります。自己否定感が新たな否定感情を生み出し、そこから抜け出せなくなっているのです。
そんな彼らの閉塞状態からスタートして、やがて自己肯定感を取り戻し、自分の可能性を構築し、具体的な行動をとり始めるように見届けることが私たちの仕事なのです。