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日誌

成果の可視化

今日は、京都府の家庭支援総合センターでの定例会議がありました。
テーマは、若者のひきこもり支援プロジェクトである「チーム絆」の成果の可視化について。
それは、目に見えない成果をいかに可視化するかという、とても本質的かつ普遍的な内容でした。


行政主体の事業は、毎年その予算が厳しいものになっていきます。
ひきこもり支援を行うチーム絆もその例外ではありません。
事務職は、毎年夏前からあの手この手で、予算の確保に奮闘していきます。
そんな中で、チーム絆の今年度予算を雇用対策関係から引っ張ってくるようになりました。
雇用関係の予算は、雇用成果を求められます。
雇用に対する事業計画を立て、その計画がどのような形で達成されたかを数値化する必要が出てくるのです。
そしてこの構造が、実はひきこもり支援の本質を揺るがしかねないと、私たちは考えていました。
半年あるいは1年という期間の中で雇用実現を目指すというのは、ひきこもり支援というフレームの中ではかなり無理があります。
成果を求めるばかりに、本当に支援の手が必要な重篤なひきこもり状態のある若者が、成果を出しにくいという理由で軽視されていく可能性さえ出てきます。
成果を出さねばならない団体にとって、彼は重荷になる可能性があるからです。
彼らにとっては、すぐに成果を出せる若者たちがありがたいのです。
このような構造的な矛盾、つまり成果を求めれば求めるほど、プロジェクトの本来の意味が見えなくなってしまうことが、今いたるところで生じています。
そしてその本質は、目に見えない、安易に数値化できない成果を、どのような形で可視化するか?
定量的なデータではなく、質的なデータをどのような形で提示できるかというテーマに集約されていくような気がするのです。
そんなわけで、チーム絆では、質的な成果をいかに可視化するかをテーマとして、検討を始めました。
事務方のみなさんだけではなく、私たち実践者もいっしょに、この問題にかかわり、一緒に答えを作り出していこうとする協働化に踏み切ったのです。
ますます、面白くなりそうです。
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