「変容」へのこだわり
昨日、取材を受けるきっかけがあって、その際にあらためて気づかされたこと、
それは、「変容」ということでした。
確かに、私は「変容」ということにこだわりを持ちながら、このシゴトを続けてきたのかもしれません。
学習塾として17年前にスタートした「学びの森」。
その時に私たちが決めたこと、
それは、やって来る子どもに応じて何を学ぶか、つまりカリキュラムを決めるということでした。
だから学びの森では、学校のように決められたカリキュラムがありません。
同じ学年の子が、同じペースで同じものを学ぶという風景がないわけです。
みんながそれぞれのことを、共同的に学び合う場として、学びの森はデザインされているのです。
そんな中に一人の不登校の子がやってきました。13年前のことです。
彼は今では、大学院の博士課程でせっせと論文に向き合っているんですが、当時は中3でアルファベットもままならない様子でした。
「目の前の子をどうするか?」
それがいつも、私たちの使命だったと思うんです。
そこからしか、スタートを切れないというのが教育のシゴトなのです。
学校に行かなくなった子どもの多くは、心が折れた状態でやってきます。
今までうまくいかなかった経験を一杯積んできたので、気力が失われているわけです。
そういった状態から、1~2年の間にたくましい状態になってここを巣立っていくためには、
その差である大きな「変容」をどうやって生み出せるのかという課題があるのです。
「学ぶことは、変わること」
これは哲学者の林竹二先生のコトバですが、
まさに私たちにとって、この「変容」ということが活動の中心にあるわけです。