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日誌

4カットの難しさ

どうも、学びの森のキノシタです。

最近めっきりブログが書けていなかったのですが、それには理由があるんです。

ある人のエッセイを読んで・・・と、この話はまた別のブログで書くとして、今日は「一緒に映画をつくろう!」という講座の第2回目の様子をお伝えします!

 

第1回目から少し時間が経ちましたが、その間生徒たちにヒアリングをしたり、講師の田中さんと作戦会議をしておりました。

その結果、今回は「4コマ映画をつくる」がテーマに。

 

 

グループに分かれて役割分担をし、協力しながら一つの作品をつくることが目的です。

田中さんも作戦会議の中で、映画は一人きりではつくれない、必ず他者の存在が必要で、だからこそぶつかることもあり、それを一緒に乗り越えて初めて良い作品ができる、という話をされていました。

 

どれだけ仲の良い間柄で、つくりたい映画のイメージを共有しているつもりでも、そのディティールは「違う」のが当たり前。

それをどうやってみんなが納得してすり合わせていくのか?

このプロセスこそ経験してほしいという想いがありました。

 

また、4コマ映画をつくる上で「編集は4カットをつなげるだけ」というルールも設けました。

最初はみんな「4カットね!OK!」と余裕をかましていたんですが、のちにこの「4カット」に悩まされることに…笑

たかが4カット、されど4カット。映画は奥が深いです。

 

まずはグループに分かれ、今日撮りたい映画の「ログライン」と「起・承・転・結」を話し合いました。

ログラインは、その物語を一文で表すとどうなるか?というもの。

漫画『鬼滅の刃』であれば、「鬼に家族を殺された主人公が、鬼になった妹を人間に戻すため鬼に戦いを挑む話」みたいなことです。

 

このログラインと起承転結が簡単には決まらないんです。

みんなの様子を見ていて、グループの色がすごく出るところでもあるし、映画の肝の部分じゃないかなぁと思いました。

 

どんな映画をつくりたいのか、それをイメージすることの難しさはもちろん、言葉で表現する+他者と共有することの難しいこと。

そこにグループの誰が引っ張っていくのか、折り合いをつけようとするのかなど、人間関係の要素も加わってくるからもう…。

 

これは映画づくりだけでなく、僕たちが生きていく上で大事なことがたくさん詰まっていると思います。

生徒たちを見ていると、落ち着いて話し合うことや、書き言葉に落とし込むこと、それをグループで積み上げていくことがまだまだ弱いように感じました。

きっと学びの森全体として、今後つくっていかなければならない経験なんだろうと思います。

 

起承転結も、4コマ漫画のように「静止画」で考えるのとはわけが違います。

誰を・どのアングルから・どこまでなど、「動画」としてのカットを考えるのがこれまた難しい。

 

「起の部分はこうして」

「じゃあ承はこんな感じ?」

「え、でもそれやったらあと2カットじゃ足りへん!!」

「削るにしても、ここは大事なところやし…」

 

みたいなやり取りが続きます。

僕もみんなの話を聞きながら、自分だったらどうするか考えていましたが、なかなか良い案が出てきませんでした。

 

 

 

その後、田中さんの介入もありつつなんとかログラインと起承転結が出来上がり、いざ撮影へ。

実際に撮影し始めると、具体的なイメージも共有できるし、新しいアイデアもたくさん出てくるからまた面白い。

逆にこういう様子を見ていると、生徒たちの「その時その瞬間」の強さも感じます。

 

ひとつずつカットを撮影していくたびに、生徒たちの表情も真剣になっていきました。

 

「こっちからこう撮ったほうがいいんちゃう?」

「いや、でもこのカットは主人公の視点やから」

「ならこうやってみるのはどう?」

「それいいな!じゃあいくで、よーい、アクション!」

 

お互いの意見をぶつけながら、より良い映画をつくるために必死。

時間いっぱい、みんなが納得するまで撮影しました。

 

出来上がったOKテイクを田中さんに編集でつなげてもらいます。

つながっていく様子を見ていて、みんな映画に「なっていく」実感を持ったようです。

1カット1カットバラバラだったものが、つながる喜び。

みんな目を輝かせながら田中さんの作業を見守っていました。

 

 

最後は完成した映画をみんなで鑑賞。

それぞれのグループが表現したかったものがちゃんと伝わる作品になっていました。

※Instagramで絶賛公開中!

 

感想を聞いていると、生徒たちのほうから反省点が出てきたのには驚きました。

 

・このカットとこのカットが別の場所/角度でつながってない

・一人称の目線と三人称の目線でカットを工夫しないと

・鏡にカメラを写さずに撮影するのって難しい

 

などなど、実際に自分たちで表現したいことを共有し、イチからつくってみたからこそ、こうした振り返りもできるのかなと思いました。

だんだん場の雰囲気も良くなっている(真剣さが増している?)ような気がします。

 

田中さんからの課題は「次回までにそれぞれ企画書をつくること」です。

自分の表現したいものは何か?を考える+それを書き言葉に落とし込む大事な作業です。

 

どんなのが出てくるか楽しみ!!

では、また~