演じる中で
どうも、学びの森のキノシタです。
今日はめちゃくちゃ面白いことがありました。
それは小学3,4年生を対象にした<ことばゼミ>での出来事。
現在3名の生徒と一緒に『白いぼうし』(あまん きみこ作・こころ 美保子絵)を読んでおります。
主人公の気持ちに関しての謎をみんなで考える上で、実際にそのシーンを演じてみることになりました。
そのシーンとはこんな感じ。
主人公が道端に落ちている小さなぼうしを見つける
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ぼうしをつまみ上げると、もんしろちょうが飛び出す
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ちょうはひらひら高くまい上がり、どこかへ
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幼稚園児がわざとぼうしを置いたことに気づく主人公
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主人公はその小さなぼうしをつかんで”ため息”をつく/それをじろじろ見ながら太ったおまわりさんが通り過ぎる
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ちょっとの間、かたをすぼめてつっ立っていた主人公が何かを思いつき、急いで車に戻る
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運転席から夏みかんを取り出し、道に置いて白いぼうしをかぶせる
この間の主人公・ちょう・おまわりさんが何を感じ、何を考えて行動しているのか?
いつもは文章とにらめっこして話し合うのですが、実際に身体を動かしてみると・・・
あれ?なんか変?ホンマにそんな表情や動きするか?
最初はおもしろ半分で演じていた生徒たちにそう投げかけると、一気にスイッチが切り替わりました。
ちょっと待って、これもう一回ちゃんと文章読み直してみよう。
この「ははぁ」って台詞には、どんな気持ちがこもってる?
ちょうってもっと激しく飛んだほうがいい?
思いついた内容って「良いこと」か「良くないこと」かどっちやろ?
文章を読んで考え、考えながら演じ、演じてみてまた読み直し話し合い、また演じる。
それを繰り返すことで、こちらが思いもしなかった気づきや、問いがどんどん出てきます。
このプロセスの楽しいこと!!!
のめり込むうちに、物語を読むための一助として「演じる」ことを始めましたが、いつしか「演じる」ことが最大の目的に変わっていました。
みんなでこのシーンの演技をつくりあげよう、そんな気持ちを共有できていたからか、教室は稽古場さながらの熱気に包まれました。
演じる中で登場人物や物語全体を深く考えることにもつながっているし、
演じる中で一人ひとりの発言に責任感が出てくるし、
演じる中でひとつひとつの言葉が身体の中に落ちていく感覚があるし…。
ちょっとまだことばにできないことが多いんですが、これって何なんだろう?という発見がたくさんありました。
この年齢の、このメンバーだからできることも多いにあるとは思いますが、何にせよ面白いです!!
今日でこのシーンを納得のいく形に仕上げることはできませんでしたが、みんなで演劇に仕立てたいという意見が出ています。
僕も総合演出という立場で、この物語とみんなでつくる演劇に向き合っていきますので、皆さんご期待ください!笑
今日の動画はインスタグラムでTake1~見られますので、そちらも是非ご覧ください。
では、また~