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日誌

グレーを生きる

こんばんは、学びの森のキノシタです。

 

 

 

 

今日はある生徒との関わりの中で考えたことをご紹介したいと思います。

 

 

 

 

その生徒は、現在高校3年生。

 

 

 

 

連携している通信制高校に所属しながら、学びの森ハイスクールに通っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、コロナの影響もあって、この春から学びの森に通うことができなくなっていました。

 

 

 

 

僕もたまに電話をかけたりしてみるのですが、どうも調子が悪そうでした。

 

 

 

 

大学には行っておきたい、家を出て一人暮らしをしたい、でもそのために行動することができない…。

 

 

 

 

そんな葛藤を抱えながら悶々とした日々を過ごしているような感じがしました。

 

 

 

 

ご両親とも連絡を取りながら、どうしていくのがいいか一緒に考える日々が続きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな彼がここ最近になって、少しずつ学びの森に来始めるようになったんです。

 

 

 

 

それまでは、ここに来ても見るからに緊張しまくっていて、肩に力がグーーーーっと入ってしんどそうでしたが

 

 

 

 

今は顔色もいいし、随分リラックスしているように見えます。

 

 

 

 

この前の<振り返り>の時間では、そのあたりの変化について尋ねてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近どうなん?という僕の問いに対して、彼は「身体的にはちょっときついけど、精神的には楽です」と答えました。

 

 

 

 

家で何もしないよりは、学びの森に来て、その日その日でやろうと思う勉強に取り組むことのほうが、充実感があるとも言っていました。

 

 

 

 

そこからは彼が語るたびに「なんでなん?」ばっかり聞いてしまいました。

 

 

 

 

それほど、彼の変化に驚いていたからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕とのやり取りの中で、彼が語った文脈は以下のようなものでした。

 

 

 

 

春からゲームばっかりしてしまっていて、何もしていなかった。

 

 

 

 

その間に勉強できてたらって今は後悔してる。

 

 

 

 

でも、ゲームをしていて誰かとつながれたり、何もせずに休んでいたから、今こうしてここに来れてるとも思う。

 

 

 

 

僕がその後悔と良かったと思う比率を尋ねると、彼は「7:3かな?」と苦笑いしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は彼がそういう「グレー」を生きていることが、すごい変化だと思いました。

 

 

 

 

今まではどちらかといえば”0か100か”みたいなものさしで、いろんなことを捉えていたように思うからです。

 

 

 

 

過去の出来事に対して、100%良かったとか悪かったという意味づけができることってないのかもしれません。

 

 

 

 

その「グレー」が白に近づいたり、黒に近づいたり、時には全く別の色になったり…。

 

 

 

 

自分を振り返ってみても、そういったことを繰り返しながら今まで生きてきたし、これからも生きていくんだろうと思うんです。

 

 

 

 

 

彼とのやり取りの中で、そういう変化がことばになって出てきたことに面白いなぁと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、そういえばもうひとつ。

 

 

 

 

彼との「やり取り」と書いたように、文字通り「やり取り」になってきているのも面白い変化だと思いました。

 

 

 

 

今まではこちらの投げかけに一言返すだけで終わっていたのが、彼から質問してくれるようになったんです。

 

 

 

 

それもあってか、話をしていて居心地がいいというかなんというか…。

 

 

 

 

お互いに興味を持ちながら話せているような感じがしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

これから彼がどうなっていくのかはわかりませんが、もっとたくさん話がしたいなと思った時間でした。

 

 

 

 

では、また~