気になるゼミの様子
こんばんは、学びの森のキノシタです。
駅から職場まで歩いてくると、気候も見える景色も気持ちのいい季節になってきました。
生徒たちの中にも、歩いてきている子がいます。
「あそこの桜すごいことなってるな!」という一言から、話が弾む今日この頃です。
さて、今日は学びの森の活動の中でも、生徒から特に人気のある「ゼミ」について紹介したいと思います。
何を隠そうこの僕も、昨年まではゼミの一参加者でした。
昨年は「オタク」をテーマに色々な議論をしたり、絵本『スイミー』を読み込んだりしたことが記憶に残っています。
ゼミの最大の魅力は、生徒もスタッフも関係なく、平場でやりとりができるところにあります。
あるテーマについて考えるとき、僕や他のスタッフはいっさい生徒に気を使っていませんでした。それは生徒も同じかもしれません。
気を使っていないというのは、何も<配慮をしていない>という意味ではありません。
スタッフだからこんな発言をしなければ、とか、生徒に発言をさせなければ、といったことを考えずに
ただただ<僕という個人の考えを伝えよう>とか<目の前のこの人の考えを聞こう>としていたということです。
こうしたことは、自分の意見を安心して発言することができて、他者の意見も受け止めることができる雰囲気が回を重ねるごとに少しずつ醸成されていったからだと思います。
だからこそ、ゼミではお互いに揺さぶり/揺さぶられ、物の見方や考え方が変わることにもつながっていました。
来たときには表情がすぐれなかった生徒が、ゼミから返ってくると活き活きしている、なんてことも多かったです。
感想を聞くと
「頭使いすぎて疲れたー、、。でも楽しかった!」
みんな口をそろえてこう言っていました。
その様子を見ていると、「教科的な学び(これはもちろんとても大事!)」だけでは得られない大事なものが得られる時間になっていたんだと思います。
そんなゼミの時間に、今年はなかなか参加できる機会がありません…。泣
だからもう気になって気になって仕方ない!!どんなおもろそうなことしてるんや!!!
ということで、少しだけ様子をうかがってきました!
まずは<ことば>という名前のゼミ。
担当しているのは桜井先生です。
何やら『枕草子』の序段を読んでいるみたいです。
言わずと知れた「をかし」の文学ですよね。
僕が教室に入ったときは、この当時の宮中の話をしていました。
「紫式部がお仕えした彰子のサロンは堅いけど、清少納言がお仕えした定子のサロンは「キャピ!」っとしてる感じやね」
好きなんですよね~、こういう桜井先生の脱線話(ゼミの大半これ)。
ただ面白いからというわけではなく、扱う作品をより深く読み込むために必要な背景がさりげなく伝わってくるから好きなんです。
生徒たちも時に笑顔で、時に真剣な表情で話を聞いていました。
次は<数学の世界>という名前のゼミ。
担当しているのは田中先生です。
ここでは何やら「自然数をグループにわける」ことをしているようです。
皆さんもご一緒にお考え下さい。
自然数を2つのグループにわけるにはどうすればいいでしょう?
ほうほう、これは簡単ですね。
「偶数」と「奇数」にわければ2つのグループにわけることができます。
では、3つのグループにわけるにはどうすればいいでしょう?
ちょっとめんどうですが、これも簡単です。
3つにわけるから、3で割って…
「3で割ったりせんでも簡単にできるな」
「こんなもん1.2.3って並べて書いたら終わりや」
田中先生のジャックナイフのような一言が刺さります。
でも確かに、並べたら済む話なんですね。
僕たちは普段、数字ではないもの(例えばトランプとか)をわけるときは、ひとりずつに配って「わける」という行為をしているにも関わらず
数になった途端に、数式で解決しようとしてしまいがちなのかもしれません。
それは「わける」という行為が必要になった「人間の営み」と、僕たちが勉強している「数学」とが、いつの間にか乖離してしまっていると言い換えることができるかもしれません。
このゼミでは、こうした<思考の転換>の経験や<人間の営みとしての数学>を考えることができそうです。
数学恐るべし…。
今年度のゼミの様子はいかがだったでしょうか?
まだ始まったばかりで、雰囲気は堅いですが、それも半年もすれば変わってくるだろうと思います。
そして実はもうひとつ、名前もまだ決まっていないゼミがあります。
その様子は後日お伝えしたいと思います。
では、また~