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日誌

これも・それも・あれも「陶芸」

長かったゴールデンウィークも終わりましたね。

鈍り切った頭と身体を、初日からフルスロットルで元に戻したキノシタです。

 

 

 

 

今日は「出会い場」がありました。

実は僕、これを連休前からめちゃくちゃ楽しみにしていたんです。

来てくださったのは、プロの陶芸家として活動しながら、自ら運営する子どもアトリエ教室で先生もされている綿引恒平さんです。

 

 

 

 

僕がこの間「芸術(美術)」をテーマにゼミをおこなっていたのは、今日の「出会い場」を入り口として

「教養講座(芸術)」という名前で、綿引さんに通年で関わってもらおうと思っていたからです。

今日の「出会い場」はそのための第一歩。

生徒たちに綿引さんと、文字通り出会ってもらう場でした。

 

 

 

 

綿引さんのライフストーリーを聞いていると、少年のまま大人になったような人だなという印象を受けました。

小学校では、トカゲや虫を捕まえることに夢中になり

中学校では、絵(特にドラゴンボール)を描くことに夢中になり

高校校では、寮での自由な生活に夢中になり

大学では、陶芸でものを作ることに夢中になり・・・

 

 

 

 

いつも何かに夢中になりながら生きてきた人なんだなと、話を聞いていて思いました。

そんな「夢中になることの楽しさ」を知っている綿引さんだからこそ、現在開校しているアトリエ教室の雰囲気が作られているのかもしれません。

 

 

 

 

というのも、そのアトリエ教室で綿引さんが大切にしているのは

 

「自分が本当に作りたいものを、時間を気にせず作りきる」

 

ことだからです。

 

 

 

 

絵の描き方や、失敗しない工作を教えるのではなく、子どもたちが「作りたい」と思うようになるまでの過程を大事に扱い

「作りたい」ものをどうしたら作れるのかを、自分で「考える」力を身につけてほしい。

 

 

 

 

打ち合わせの際、そんな風に話されていたのを思い出しました。

 

 

 

 

さて、綿引さんの出会い場で、僕が印象に残ったことがもうひとつあります。

それは、大学院時代の綿引さんの作品を見せてもらった時のこと。

 

 

 

 

綿引さんの作品は、なんと130センチもあるミサイル(×7)が北斗七星のように配置されたもの!

 

 

しかもそのミサイル、戦隊ヒーローたちが集まってできていました。←写真拡大してみてください

ちなみに、北斗七星は『北斗の拳』からきているそうです。

 

 

 

 

なんじゃこりゃ!?と思いましたが、説明を聞いていて納得。

この作品を作ったのは、ちょうど「9.11」の事件があったときだそうです。

「正義」という言葉が多用され、ミサイルもたくさん使われました。

 

 

 

綿引さんの作品には、

「戦隊ヒーロー」というみんなを守る正義の存在が「ミサイル」というみんなを破壊するものになる怖さ。

「ミサイル」によって守られている人もいるという現実。

一人ひとり違う「正義」の定義。

そういったことを考えさせられるようなメッセージ性がありました。

 

 

 

 

そういったメッセージ性も面白かったんですが、僕はこの作品が「陶芸」というジャンルでくくられることに面白さを感じました。

なぜなら、僕のイメージしていた「陶芸」は、ろくろを回してお皿などを作る、所謂「陶芸」だけだったからです。

 

 

 

 

他の作品も見せてもらいましたが、これも陶芸!?それも陶芸!?あれも陶芸!?とびっくりしてしまいました。

 

 

 

 

僕の中で「陶芸」は「芸術」と近い言葉だったのですが、

ただの「表現方法のひとつ」にすぎないというか、「芸術」との距離が遠くなりました。

 

 

 

 

改めて、「芸術」ってなんなんや?

この一年を通して、みんなと色々考え続けたいと思います。