「鑑賞」をめぐって
昨日、ひとりで家の近くの焼肉屋に行ったときのこと。
常連のおばちゃんに「今ちょうど君の噂してたんやー!隣座り!!」と、相席する流れに。
人生の何たるかを教えてもらった上、焼肉をご馳走になって幸せいっぱいお腹いっぱいのキノシタです。
「美術の授業は何のためにあるの?」という問いから始まったゼミ。
今回は「鑑賞」という言葉を改めてじっくり考えてみました。
小学生から高校生まで、ゼミに参加する生徒の年齢層は多様です。
そこで、一人ひとりが「鑑賞」について考えるきっかけになるような「手引き」を用意してみました。
それがこちら↓
①今まで「鑑賞」ってどんなことした?
②「鑑賞」ってどんなイメージ?
③「鑑賞」するときは一人でする?誰かとする?
④「鑑賞」と「観賞」と「観察」と「批評」はどこが違う?どこが同じ?
⑤「観賞」って何のためにするん?
⑥自分なりの「鑑賞」方法は?
⑦そもそも「鑑賞」の方法って?
⑧何をしたら「観賞した」ことになるの?
⑨「鑑賞する」前と後で何か変わる?
⑩「鑑賞」したらいいことあるんかな?
⑪自分の中での「鑑賞」と、今まで美術でしてきた「鑑賞」って違う?
⑫「鑑賞」に「正解」はある?
⑬「鑑賞」に準備は必要?必要とすれば何を準備する?
この「手引き」は、あくまで僕が「鑑賞」という言葉を考えるときに頭に浮かんだものなので、順番に考える必要はありません。
これなら考えてみようかな、と思うものから考えてもらっています。
「鑑賞」をめぐって、自分で問いを立て、仮説を考えること、その仮説を支える論拠を考えること。
こうした思考のプロセスを身につけてもらうための入り口になればいいなと思っています。
たっぷり時間を取って、考えてもらっているとき、僕自身もこの問いに応えていっていたのですが
考えれば考えるほど「鑑賞」って何なのかわからなくなってきました。
はじめは、「作品・作者のことを知る、理解する」とか「作品に対する自分の意見を持つ、他者とその意見を交換する」とか
今まで美術の授業で受けてきたものに引っ張られてる感じがあったんですが
「鑑賞」する対象って別に作品だけじゃないんちゃうか?
街歩きをしながらその街のことを知ることもあるし、風景も心動かされることあるよな…。
意見を持つってそこまで大事なことなんか?ブワッと目や耳に情報が飛び込んできたりして、「なんとなくいい」とかあるあるし。
「深く知る」ってポイントかもな。でもその「深く」ってどこまでしたら「観賞」したことになるんやろ。
頭で考えるんじゃなくて、実際身体を使う方法ってないんかな?
こんな風に自分の中でたくさん問いが生まれてきて、頭がパンパンになったところで時間切れ。
「もうちょっと考えてから出す(プリントは回収するつもりでした)」と言った生徒も多かったです。
僕は美術教育の専門家でも芸術家でもないので、「観賞」をめぐる問いの切り口も、全然的を射たものではないのかもしれません。
しかし、自分の、そしてみんなの美術の授業の経験から「観賞」ってどういうことかを少しでも掴めたらなと思います。
みんなはどんなことを考えて言葉にしたんやろう?
次回が楽しみです。