ながーーーーい目で見る。
いきなりですが皆さん、この絵本をご存じでしょうか?
何を隠そうこの私、最近「生物学」とか「免疫学」とかにアンテナがビンビンでして。
その話を友人にしたら、この絵本を薦められた次第です。
読み始めると、これがもうめちゃくちゃ面白い!!
あっ!と驚く「!」と、えっ?と立ち止まる「?」がたくさんあります。
私は思わず生徒そっちのけで読みふけってしまいました。
「先生、丸つけしてよ…」
その一言で我に返り、丸つけをしながらその生徒と話しました。
「この絵本読んだことある?」
「ない。面白いん?」
「やばいで。面白いってもんじゃないで。」
「そうなん(笑)見せて。」
「例えば今ここ読んでてんけどさ、約359,000,000年前の地球はこんなんやってんて。」
「なんか変な木いっぱいやな!」
絵本によると、この頃の地球は、一部が氷河におおわれていたいたものの、陸地の大部分は低い土地で
気候はあたたかかく、水っぽい大森林が広がる「植物の時代」だったそうです。
ページの絵を生徒とじっくり見ていくと、気が付いたことがありました。
「あ、この木何かに似てない?」
「うーん…なんやろ?」
「毎日見てると思うんやけどなぁ(笑)」
「あ!これか!」
なんと絵本に出てきた、約359,000,000年前の植物の子孫が、教室の真ん中にあるではありませんか!
学びの森のシンボルツリーでもある「ヘゴシダ」の木。
それは遠い遠い昔、「植物の時代」と呼ばれるときから生息している木でもあったのです。
その生徒は、まじまじとヘゴシダの木を見て
「そっか、こいつ意外にすごいやつなんやな」
と言っていました。
生徒との会話はそこで終わってしまったので、その後どんなことを考えたかはわかりません。
しかし、確実に「!」の経験はしたと思います。
その「!」の経験から、「?」が生まれ、また「!」になり、新しい「?」が生まれる…。
絵本が語るように、この「!」と「?」の循環は、人間だけでなくほかの生物、地球、宇宙など
あまねく生命の中で連綿と続く営みのようなものなのかもしれません。
そう考えると、ながーーーーい目で見た時に、今日のような経験こそが今後につながるのかもしれないと思いました。
漢字を10個覚えることや、割り算の筆算ができることもとても大事なことですが、それだけではだめだとも思います。
『せいめいのれきし』のように、ながーーーーい目で見て考える力を、私も身につけたいなと思った生徒との関わりでした。