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日誌

ジブンの芽

昨日、知誠館の生徒たちと一緒に丹後王国と琴引浜に行ってきました!
9月に計画されていたのですが、台風の影響で10月になってしまった体験学習。
私なりにレポートしてみたいと思います。






知誠館の体験活動は年に2回。
この前はみんなで日吉に行きました。
今回は京都の北の端、丹後半島へ行ってきました!








朝早くに亀岡駅に集合し、車で約2時間。
道中では知誠館らしい「なんでもあり」なしりとりが繰り広げられました。
何が「なんでもあり」かと言うと


「○○の××」←名詞ちゃうんかい!
「リチャード」←誰やねんそれ!


とかもオールOK!(笑)
生徒たちにとって、ルールに沿ってしりとりを続けるということはそれほど重要なことではなく
みんなが楽しいなと思える時間を共有することのほうが重要なのかもしれないなぁと思いました。








丹後王国に着いてからは、みんなで動物にエサをやったり、昼ご飯を食べたり、ちょっと変わった自転車に乗ったりしました。
おみやげも買って、琴引浜で磯遊びをして、足湯に使って…とにかく普段できない経験をたくさんしました。(詳しくは田中先生のブログをチェックしてください!笑)








そんな中で、私はある生徒(A君)の変化が見られたことがとても面白いなぁと思いました。
A君は中学1年生の男の子。
知誠館にやってきたのは、半年前のことです。








A君はここに来た当初、こちらが話しかけても、頷くか首を振るか、困った顔をして「う~ん…」と言うだけでした。
YesかNoか、その意思はなんとか伝えることができますが、YesでもNoでもない複雑な気持ちを自分の言葉で表現することはできなかったように思います。








そんなA君が最近、特に先日の体験活動の際に
─僕な、材料さえあればお菓子でも料理でも作れるで!
─コース料理のほうがいっぱい食べられるけど、オムライスのほうが食べたい!
─いつか忘れたけど、ここ来たことある!
─あっちのほうがいっぱい魚いそうやな、行こう!
─木下先生、この自転車一緒に乗ろう!
と、まぁたくさん話かけてきました。








私はA君と一緒に話していて、A君から自己紹介されてるような感じがしていました。
「僕はこういうやつだ」ということを、直球でどんどん投げてくるA君。
今まで自分の話はおろか、「う~ん…」と言葉につまっていたのは何やったんや!?と驚く私。








また、最後に書いたように、私のことを「木下先生」と呼ぶようになったのも最近のことなんです。
今までは「なぁなぁ」とか「ねぇ」とかそんな感じでした(たまにしんどそうな顔をしてこっちを見つめるだけのときも…笑)。








この、私に対する呼び方の変化が、A君の変化を決定づけるものなんじゃないかと思います。
言葉を獲得し、自分のことを話すようになったA君が、次にとった行動は私を「木下先生」と呼ぶことでした。
それは、「僕と君は違う存在だ」という認識の現れではないでしょうか。








今まで地面に埋まっていた「ジブンの芽」が、ニョキニョキ出始めたことで
他者を他者として認識し、自己を自己として認識するようになったのかもしれません。








A君に理由を聞けば、「先生っぽいから」と言われたので、これらは私の深読みかもしれませんが
この半年間A君とかかわってきた私には、A君の中の「ジブンの芽」が着実に深く根を張り、高く伸びているように感じられました。








体験活動はもちろん面白かった(生徒そっちのけではしゃいだ)ですが、そこから見えてくるA君の変化はもっと面白かったです!
他の生徒の変化も書きたいのですが、それはまた後日…。
私にはいつ芽が出るのやら…。


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