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日誌

言葉ひとつにこだわって

今年1回目の「学び場」が開かれました。
─多様な現場で教育実践に取り組む者たちの、理論研究を軸とした「プラットホーム」をつくりたい
そんな思いから始まった今回の「学び場」は、学生、大学の先生、知誠館のスタッフの計7名が集まり対話する機会になりました。


ブログを書くのが久しぶりすぎて手が震えている木下です。
私はまだ知誠館で働くようになって2年しかたっていませんが、日々教育実践に取り組む者として参加させていただきました。
課題図書は、今井むつみ『学びとは何か』(岩波新書)
ここ15年から20年の間議論されていることが簡潔にまとめてある本です。
まずはこの本を読んで考えたことを参加者の間で共有しました。
みんなそれぞれの実践や自分の経験に照らし合わせながらこの本を読んでいるので、着眼点や解釈の違いがあって面白かったです。
私自身は、この本を読みながら
─自分がここで働くようになって確かに変わったことがある、変わったということは学んでいるということや。でもその変わるってことが身体に埋め込まれていなければ、ホンマに学んでいるって言えるんか…?てか自分がそうやって変わったことの社会的な意味は何なんやろう?それを評価するための軸って何なんやろう…?
とかを考えていました。
この答えがなかなか出ないんですよねー
そして自分の中で答えを出しておかないと、生徒の変化もちゃんと言語化できないんですよねー
不甲斐ない…
他の参加者の中にも、評価の軸を作ることの重要性を感じている人がいました。
「学び場」を通して、自分なりの評価の軸と社会的な評価の軸を作ることができたらなと思います。
本についての感想などを共有したあとは、この場をどういう場にするかが話し合われました。
その前提として、桜井先生がこの場を持とうと考えた目的や問題背景が語られたとき、自分の身につけたい力ってこれかも!と思う瞬間がありました。それは、「アクティブ・ラーニングなど横文字の言葉が流行している今だからこそ、言葉ひとつの意味や他の言葉との意味の違いにこだわっていかないといけない…」という発言でした。
教育をめぐるさまざまな議論に参加するためには、もう一度使われている言葉の意味を吟味し、参加者の間で合意を形成しながら再定義する必要があると思います。
これとは別に、普段の生徒との関わりの中で自分が大切にしている、生徒が私に話しかけてきたときに生徒の言葉のひとつひとつを「なぜこのタイミングで自分に?どういう意味で使ってる?その背景にある考えって?」と考えて生徒が見ている世界を一緒に見る姿勢と、桜井先生の言っていることが一緒なんじゃないかと思いました。
自分自身もまだ明確ではない言葉で「対話」はなされると思います。
そこから生徒個人の、私自身の、そしてそれらを取り巻く社会の一端を垣間見ることができるようになりたいなと思いました。
次回の「学び場」は7月です。
そこではどんな対話が重ねられるのか、そこから自分は何を得ることができるのか…
しんどそうやけど楽しみです!
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